今回は、空き家の数が地方都市より大都市圏に多い理由を見ていきます。※本連載は、長年、不動産会社で不動産金融・不動産法務に従事し、現在は相続・不動産コンサルタントとして活躍する藤戸康雄氏の著書、『「負動産」時代の危ない実家相続 知らないと大損する38のポイント』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、実家の相続について問題点や対策をわかりやすく解説します。

圧倒的に空き家の数が多い、東京・神奈川・愛知・大阪

もしかしたら、皆さんは「売れない、貸せない不動産の悩みは、人口減少の著しい地方のこと」だと思っていないでしょうか。

 

確かに空き家率では「1位山梨県」「2位愛媛県」「3位高知県」と人口減少の著しいエリアが上位を占めていますが(総務省統計局、2013年)、実は空き家の数は、東京・神奈川・愛知・大阪の大都市圏の数が圧倒的に多いのです。

 

「人口が多い → 住宅が多い → 空き家が多い」ということなんですね。けれども、東京や大阪などの大都市であれば買う人も借りる人もたくさんいるような気がします。

何年も空き家にすると、人が住めないほど傷むことも…

親が亡くなるまで住んでいた実家。築40年といえども親が生きていたときにはちゃんと生活できる家でした。ところが、相続のときにきょうだいでもめ事になって何年もの間、誰も住まなくなったとしたら?

 

裁判等を経てやっとのことで相続人が決まって実家に行ってみたら、もうその家は人の住める家ではなくなっていたということは多いのです。

 

木造の家屋では人が住んでいるときは風を通していますが、人が住まなくなると空気がよどみ湿気がたまります。それが何年もの間に木を腐食させ畳や壁をボロボロにしてしまうのです。また、給配水管なども長い間使わずにいると、汚物が乾いて詰まってしまうことや腐食が進んで穴が開いたりすることもあります。

 

そうなるといざ使おうとなったときに、「全取り替え」とならざるを得なくなり、その費用が数百万円もかかるという場合もあるのです。

本連載は、2017年11月30日刊行の書籍『「負動産」時代の危ない実家相続 知らないと大損する38のポイント』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

「負動産」時代の危ない実家相続  知らないと大損する38のポイント

「負動産」時代の危ない実家相続  知らないと大損する38のポイント

藤戸 康雄

時事通信出版局

日本全国で約820万戸の「空き家」「所有者不明の土地」が九州の面積以上! 実家や土地は、もはや「負動産」不動産は捨てられない! 2015年1月から相続税の基礎控除が大幅に縮小され、課税対象となる人が増えました。「実家…

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