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限界マンション、老朽戸建て…相続放棄を検討すべき「負動産」

今回は、「実家」を相続放棄したほうがいいケースについて見ていきます。※本連載は、長年、不動産会社で不動産金融・不動産法務に従事し、現在は相続・不動産コンサルタントとして活躍する藤戸康雄氏の著書、『「負動産」時代の危ない実家相続 知らないと大損する38のポイント』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、実家の相続について問題点や対策をわかりやすく解説します。

いったん所有者になると、不動産は「捨てられない」

もし、あなたの実家が前回のような「首都圏にあっても限界マンション」であったり、地方でも「人口減少が著しい限界集落の老朽戸建て」だとしたら、自分たちが相続した後のことをどう想像されますか?

 

いったん所有者となってしまったら、所有者としての責任から逃れる方法がないことを知っておくべきです。

 

例えば、車であれば要らなくなれば廃車にすることができます。大型家電等も廃棄するには費用がかかる場合もありますが捨てることはできます。動産類はすべて所有権放棄して捨てることが可能なのです。ところが、不動産には「所有権を放棄して捨てる」法的な手続きは用意されていません

売却できず、維持費ばかりがかさむことも・・・

もし、何も対策を考えずに限界マンションを相続したらどうなるでしょうか?

 

まず、売りたいと思っても買う人がいませんから売れません。そうすると毎月の管理費と修繕積立金、毎年の固定資産税などがかかってきます。場所や物件にもよりますが、最低でも毎年数十万円かかるでしょう。

 

そして、最悪の場合には管理組合から「大規模修繕をしなければならなくなったので、各戸から200万円ずつ一時金を徴収します」などと言われるかもしれません。こうなると相続した財産は、「相続時点ではプラス財産だったが、相続後にはマイナス財産」になってくるのです。

 

地方の限界集落の老朽戸建てはどうでしょうか? やはり買って住む人も借りて住む人もいません。誰も住まなくなると「風を通さない閉め切った木造家屋」は、あっという間に湿気がたまって荒廃が進みます。庭木も生え放題伸び放題となります。

 

そしていつの日にか自治体から「危険な空き家です。特定空き家に指定します」などということになれば最悪です。建物を解体しなければならなくなります。解体費用も通り相場では200万円くらいかかります。土地の固定資産税も6倍に跳ね上がります。このような財産も、「相続時点ではプラス財産だったが、相続後にはマイナス財産」になってくるのです。

相続・不動産コンサルタント ファイナンシャルプランナー

1961年生まれ、大阪府出身。ラサール高校~慶應義塾大学経済学部卒業。大手コンピューターメーカー、コンサルタント会社を経て、バブル崩壊後に大手住宅ローン保証会社で不良債権回収ビジネスに6年間従事、不動産競売等を通じて不動産・金融法務に精通。その後、J‐REIT黎明期にREIT上場準備会社、世界最大級外資系不動産投資ファンドのアセットマネージャー、不動産投資ベンチャーの役員等、大小数々の不動産企業において不動産金融・不動産法務の最前線で活躍して25年が経過。アパート2棟と自宅不動産を東京都内に所有する妻の実家で相続が発生。それを契機にアパートオーナー等の不動産相続の大変さに気付き、相続・不動産コンサルタントを目指す。現在1級ファイナンシャルプランニング技能士・公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士。

著者紹介

連載「実家相続」の落とし穴…大切な家を「負動産」にしないノウハウ

 

「負動産」時代の危ない実家相続  知らないと大損する38のポイント 

「負動産」時代の危ない実家相続  知らないと大損する38のポイント 

藤戸 康雄

時事通信出版局

日本全国で約820万戸の「空き家」「所有者不明の土地」が九州の面積以上!実家や土地は、もはや「負動産」不動産は捨てられない! 2015年1月から相続税の基礎控除が大幅に縮小され、課税対象となる人が増えました。「実家が持…

 

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