従来のビジネスモデルに警鐘!? 曲がり角に直面する銀行

前回は、企業業績が好調な中、銀行の「貸し出し」が伸び悩む背景を考察しました。今回は、従来のビジネスモデルが問題視されるなど、曲がり角に直面する銀行について見ていきます。

新たな収益源の確保は銀行の「死活問題」

前回の続きです。

 

では、預貸率が低下している銀行は、集めた預金をどうしているのでしょうか。

 

今は超低金利で預金者に支払う利息も少なくて済みますが、多くの支店や行員を抱え、ATM網やコンピュータシステムの維持・更新などにも多額のコストがかかる銀行にとって、新たな収益源の確保は死活問題です。

 

[PR] 4月24日(火)無料セミナー@幻冬舎(東京)

「電子記録債権」のすべてが分かる企業のための実践セミナー

収益源の一つは、国債です。超低金利で利率は低いとはいえ、企業への貸し出しのようなリスクがほとんどなく、確実に利益が見込めます。

 

また、超金融緩和を進める日銀が満期前の国債を高値で買ってくれるので、売買益も見込めます。最近は、国が新たに発行する国債を銀行が入札で買い取り、すぐ日銀に転売するといったケースも増えています。

 

メガバンクの場合は、国際部門が収益源になってきています。海外に進出する大手企業や中堅企業に対して融資を行ったり各種サービスを提供したりすることで、金利や手数料による収益を上げているのです。

金融業の「存在意義」が問われる事態へ

これに対し、海外にビジネスの基盤がない地銀など地域金融機関はそういうわけにはいきません。

 

そのため、日本国債のほかに、比較的高いリターンが見込める海外の債券(外国政府の国債や海外企業の社債)に投資したり、国内では不動産投資向けのアパートローンや不動産ローンを増やしたりしています。

 

[PR] 4月24日(火)無料セミナー@幻冬舎(東京)

「電子記録債権」のすべてが分かる企業のための実践セミナー

しかし、海外の債券投資は国際経済の動向に影響を受けたり為替のリスクがあったりするため、金融庁では地方金融機関に対して一定の規制を導入する予定とされています。また、国内の不動産投資向けのローンも、空室率の上昇などが懸念され、金融庁や日銀は警鐘を鳴らし始めています。

 

このように、従来は当たり前と思われていた銀行のビジネスモデルそのものが、大きな曲がり角に直面しています。銀行だけでなく、証券、生保、損保など他の金融業も同じです。

 

いまや、金融業はなんのためにあるのか、どうやって収益を上げるのかが、根本的に問われているのです。

 

「その他」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「経営戦略」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載日本の金融業界を変える~フィンテックの可能性

Tranzax株式会社 代表取締役社長

一橋大学卒業後、野村證券に入社。金融法人部リレーションシップマネージャーとして、ストラクチャード・ファイナンス並びに大型案件の立案から実行まで手掛ける。主計部では経営計画を担当。経営改革プロジェクトを推進し、事業再構築にも取り組んだ。2004年4月にエフエム東京執行役員経営企画局長に。同年10月には放送と通信の融合に向けて、モバイルIT上場企業のジグノシステムを買収。2007年4月にはCSK-IS執行役員就任。福岡市のデジタル放送実証実験、電子記録債権に関する研究開発に取り組んだ。2009年に日本電子記録債権研究所(現Tranzax)を設立。

著者紹介

企業のためのフィンテック入門

企業のためのフィンテック入門

小倉 隆志

幻冬舎メディアコンサルティング

圧倒的な「コスト削減」「業務効率化」「キャッシュフロー改善」を実現する最新技術とは? フィンテックは一時の流行の枠を超え、次のステージに入っているという見方が大勢を占める。 ビットコインのリスクなどマイナス要…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧