下請企業の取引条件の改善を目的とする「下請法」の概要

前回は、地方銀行の収益を向上させる「中小企業の金融改善」を取り上げました。今回は、下請企業の取引条件の改善を目的とする「下請法」の概要について見ていきます。

親事業者の優越的な地位の濫用を取り締まる「下請法」

中小企業のうち製造業などは、大手企業の下請けが中心です。中小企業活性化のために、政府では従来、下請企業の取引条件の改善に取り組んできま

 

その代表例が「下請法」(正式には「下請代金支払遅延等防止法」)です。この法律は下請取引を公正にし、下請事業者の利益保護を図るため基本的に親事業者が守るべきルールを定めており、そのルールが守られない場合、行政が親事業者(発注者)に対して法的な措置を取ることもできます。

 

[PR] 4月24日(火)無料セミナー@幻冬舎(東京)

「電子記録債権」のすべてが分かる企業のための実践セミナー

下請法は、独占禁止法を補完するものと位置付けられており、親事業者による下請事業者に対する優越的地位の濫用行為を取り締まるのが狙いです。

 

独占禁止法では優越的地位の濫用かどうかをさまざまな要素から総合的に判断するのに対し、下請法では下請取引の発注者(親事業者)を資本金の区分によって一律に「優越的地位にある」ものとして取り扱い、より迅速で効果的な規制が可能になっています。

 

具体的には、親事業者が守るべきルールとして、4つの義務と11の禁止行為が規定されています。

 

[図表1]下請法の適用対象となる取引当事者の基本金区分

 

[図表2]下請法における4つの義務

中小企業賞資料
中小企業賞資料

 

[図表3]下請法における11の禁止行為

出典 中小企業庁資料
出典 中小企業庁資料

下請代金の支払は「できる限り現金」という通達も

2016年12月にはさらに、中小企業庁長官と公正取引委員会事務総長の連名で、「下請代金の支払い手段について」という通達が出されました。

 

これは50年前に出された「下請代金の支払手形のサイト短縮について」という通達を見直し、親事業者による下請代金の支払について、次のように求めるものです(ただし、今回の通達そのものに強制力はありません)。

 

[PR] 4月24日(火)無料セミナー@幻冬舎(東京)

「電子記録債権」のすべてが分かる企業のための実践セミナー

①下請代金の支払はできる限り現金によること

②手形等により下請代金を支払う場合には、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないようにすること

③下請代金の支払についての手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること

 

「その他」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「経営戦略」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載日本の金融業界を変える~フィンテックの可能性

Tranzax株式会社 代表取締役社長

一橋大学卒業後、野村證券に入社。金融法人部リレーションシップマネージャーとして、ストラクチャード・ファイナンス並びに大型案件の立案から実行まで手掛ける。主計部では経営計画を担当。経営改革プロジェクトを推進し、事業再構築にも取り組んだ。2004年4月にエフエム東京執行役員経営企画局長に。同年10月には放送と通信の融合に向けて、モバイルIT上場企業のジグノシステムを買収。2007年4月にはCSK-IS執行役員就任。福岡市のデジタル放送実証実験、電子記録債権に関する研究開発に取り組んだ。2009年に日本電子記録債権研究所(現Tranzax)を設立。

著者紹介

企業のためのフィンテック入門

企業のためのフィンテック入門

小倉 隆志

幻冬舎メディアコンサルティング

圧倒的な「コスト削減」「業務効率化」「キャッシュフロー改善」を実現する最新技術とは? フィンテックは一時の流行の枠を超え、次のステージに入っているという見方が大勢を占める。 ビットコインのリスクなどマイナス要…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧