今回は、自社の金利と銀行の「貸出平均金利」を比較すべき理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

自社の金利が平均より高いなら交渉の余地あり⁉

日本銀行は毎月、市中銀行の平均貸出金利を公表しています。
今年に入ってからの、新規の貸出金利の推移は、

次のとおりです。


Heikinkinri

 

いかがでしょうか?
短期なら、0.5%~0.6%、
長期なら、0.7%~0.8%、といった数値です。
これは、それぞれの月内に行われた、新規貸出における平均です。
平均でこの金利ですから、
もっと低い場合と、もっと高い場合が、あるのです。

 

私たちの顧問先では、長期で0.1%台の会社が、ぞろぞろあります。
自社の金利が、この平均より低いか高いか、比べて下さい。
平均より高いのなら、
まだまだ交渉の余地がある、ということです。

支払金利はリターンのない「現金流出」

現状の平均金利の推移を見る限り、金利はまだ、
上昇傾向とは言えない状況です。
なので、
〝金利が上がってきていますので、固定のほうがいいですよ。〟
という銀行員の言葉に、のせられないことです。

 

平均より高い金利で取引されている会社の声を聞くと、
〝以前に比べて下がっているので、気にしていなかった。〟
というケースが多いです。
「以前」といっても、たいがい、20年くらい前の話しだったりします。
結局、金利によるキャッシュアウトを、さほど気にしていないのです。
今の平均よりもずっと高い金利なのに、
〝金利が下がって、いい時代になりました。〟
と、喜んでいたりするのです。
もったいない話しです。

 

支払金利は、リターンのない現金流出です。
それをもっと減らすことができるのに、
取り組んでいない会社が、まだまだあるのです。

 

自社の金利が平均より高いのなら、銀行の担当を呼び、
この平均データを見せて、なぜ高いのか、
たずねるところから、始めてほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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