今回は、抵当設定が解除後も残り続ける土地の登記簿の「抵当履歴」を消す方法について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

抵当設定の解除後も、登記簿に残る「履歴」

「担保に頼らない融資をせよ!」
「過去に設定した担保も外しなさい!」
と、金融庁は銀行に指導しています。
しかし、実際には、
土地や建物を担保に差し出し、
抵当権を設定されている、
というケースが、まだまだ多いのです。

 

土地の登記簿を拝見すると、
抵当や根抵当の履歴が載っています。
「〇〇銀行で借りて、2億の抵当設定になっていますね。」
など、すぐにわかります。

 

この履歴がやっかいなのは、
抵当設定が解除されても、その履歴は登記簿から消えない、
ということです。
「平成◇◇年◇月◇日 〇〇銀行 抵当権抹消」
などといった記載になるだけです。
つまり、返済を終えて抹消しても、履歴は延々と残るのです。
それがイヤだな、という経営者もいます。

土地を「分筆・合筆」すれば、抵当履歴は消せる!

抹消されたのに、消えない抵当履歴を消すには、
どうすればよいのか?
ある司法書士にお尋ねしたところ、
「方法がないこともないです。」と言われました。


「ないこともない、ということは、あるんですか?」
「まあ、あるといえば、あります。」
「もったいぶらずに、どんな方法ですか?」
「分筆とか合筆すれば、消えます。」
とのことでした。

 

つまり、
分筆なら、土地を2つに分ける、
合筆なら、他の土地とくっつけてひとつの土地にする、
といったことです。
分けたり、くっつけたりするのは、
ほんの小さな一部分の土地でも構いません。
小さい土地であっても、
分筆、合筆すれば、新たな土地登記となり、
過去の抹消された抵当履歴は、消えるのだそうです。

 

登記簿は、法務局を通じて、誰でも入手できます。
ライバルが見る、銀行が見る、行政が見る、
など、さまざまな用途で、見られることがあります。
過去の担保履歴を知られたくないこともあります。
末梢された過去の担保履歴を消し去りたいなら、
このような方法が、あるのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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