前回は、財務と経理を統括する「CFO」導入のメリットを取り上げました。今回は、会社の経理・会計の業務の一部をアウトソーシング化する試みについて見ていきます。

専門性が求められる経理業務を「外部委託」

前回の続きです。

 

なお、アウトソーシングについては、経理の仕事を、内製化の要請が強く一般的スキルで行える「営業経理」と内製化の要請が低く専門性が求められる「本部経理」にわけて、後者を外部の専門家に運用させる試みも始まっています。それぞれの具体的な中身は、以下のような形になっています。

 

[営業経理]

①販売

請求書の作成・発行、商品・顧客別売上分析

 

②仕入・経費

購入の申請・承認、経費の承認、入庫・在庫管理

関連サービスの選択でさらなる合理化・効率化の実現も

[本部経理]

①販売

入金管理(消し込み)、滞留債権管理、請求書に基づく帳簿作成

 

②仕入・経費

請求書に基づく支払一覧表作成、インターネットバンキング上での振込準備、帳簿作成

 

③給与

支給総額に基づく社会保険・源泉所得税の計算、給与明細作成、インターネットバンキング上での振込準備、帳簿作成

 

④資金取引

毎日の入出金情報取得、帳簿作成

 

⑤月次決算

発生主義での会計帳簿作成、月次試算表作成、月次レポート作成、予実(予算実績)管理レポート作成、部門別会計

 

⑥決算

決算仕訳入力、決算書作成、顧問税理士との連携、連結決算

 

このように経理・会計の世界ではアウトソーシング化の流れが加速しつつあり、関連サービスの選択肢も大きく広がっています。それらを上手に利用することによって、会計処理のさらなる合理化・効率化を実現することが可能となるはずです。

忙しい社長を救う 経理改革の教科書

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李 日生,普川 真如

幻冬舎メディアコンサルティング

公認会計士として大手監査法人に勤め、国内外の多数の大企業の監査業務を担当してきた著者たち。経理・会計の専門家としての立場から中小企業の経営をサポートし続けてきました。こうした経験の中で、中小企業は経理部を社内に…

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