自分の名前を名乗ることで、相手を安心させる
まず、5つのAの②Assure:お客様に安心していただく、お客様を不安にさせない、についてご説明します。
ここではtake ownership(責任を取る)がポイントになります。ownershipは「所有/所有権」などの意味がありますが、この場合であれば「責任/当事者意識」ということになります。
ホテルでもレストラン、お店などお客様と接する場ではどこでも同じですが、たとえば電話などで予約してきたお客様に対して、最初に、My name is…, I’m from…「担当の〇〇です」のように名前を名乗るのは、電話を受けた者が誰であるかお客様に知らせる意味があるからです。お客様は自分が話をしている相手が名乗ったことで安心して話を切り出すことができます。
予約確認の際は「責任の所在」を明確に
また電話の最後、予約をお願いしたり、別用件を述べたりした後に、あらためてMy name is…I’m from…, I’ll take care of…「~の〇〇が承りました」などのように自分の名前や所属を改めて伝えるのは、「この案件は私がownershipを取ります、すなわち責任を持ちます」と相手に宣言すること。「はい、承知しました」と言って電話を切ってしまうより、お客様は何倍もの安心感を持つはずです。
また、もう一度予約を確認するためにI took care of your reservation.「私が〇〇様のご予約を承りました」と言うこともお客様にassure-安心していただくフレーズで、責任の所在をはっきりさせます。
運悪くお客様が話したい人が電話に出られない、また問われたことを調べなければならないのでこの電話をいったん切らなければならないようなときにも、相手に安心していただく必要があります。
次回からは、相手に安心感を与える電話でのフレーズをご紹介します。
<電話対応に使えるフレーズ>
●I’ll call you back in 30 minutes.
「30分以内に折り返します」
折り返す時間をきちんと述べることで、「いつ電話がかかってくるのか」と電話を待たせて相手の時間を奪うことはありません。相手も安心ですが、同時に思いやりを示すことにもなります。
●I’ll have him call you around 4:00.
「彼には4時ごろお客様に折り返すように申し伝えます」
自分以外の人の電話を受けて、相手に折り返させると伝える場合。日本では外部の人に対して身内の名前を告げる場合、上司であろうが社長であろうが、姓に敬称をつけませんが、外国人は基本的にファミリーネームを呼びつけにすることはありません。男性であればMr.を、女性であればMs.をつけるのが自然です。
●I’ll be sure to let him know.
「必ず彼には知らせておきます(責任を持って知らせておきます)」
●Let me repeat that, if I may.
「よろしければ繰り返させていただきます」−用件を確認するのもお客様に安心していただく方法の一つです。
●May I understand that he needs to call you back in two hours?
「彼が2時間後におかけ直しする必要があるとの理解でよろしいですか?」
相手の英語や内容が今一つわからなければ、聞き返す必要があります。
●Can I take it that you’re leaving the office soon?
「まもなく外出されるということですね」