本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2017年春号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

ニューヨーク証券取引所とナスダックの2市場に大別

米国の株式マーケットは、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange= NYSE)とナスダック(National Association of Securities Dealers Automated Quotations=NASDAQ)の2市場に大別されます。

 

世界最大規模の時価総額を誇るニューヨーク証券取引所は、上場審査が世界で最も厳しく行われており、上場銘柄のほとんどが大型の優良企業と言えます。上場企業数は約2,400 社。外国企業(ADR※次項参照)も多数上場しています。

 

ティッカーシンボルと呼ばれる銘柄コードは、1~4文字のアルファベットの組み合わせが使われています。AT&T は「T」というように、歴史の古い企業では1 文字で表わされているものもあります。2015年3 月にはAT&T がダウ採用30銘柄から外されたため(かわりにアップルが組み入れられた)、ダウ採用30銘柄で1文字銘柄はビザ(「V」)のみとなりました。

 

一方、新興企業(ベンチャー)向け市場のナスダックは、中小型のハイテク・IT企業などが上場するマーケットを念頭に発足しました。日本のジャスダックやマザースも、これをモデルにしたものです。しかし現在は、マイクロソフトやアップル、アルファベット(グーグル)のような、巨大ハイテク・IT企業が名を連ねるようになりました。上場企業数は2,700社を超え、ベンチャー向け市場としては世界最大の規模です。

 

出所: World Federation of Exchanges (2017 年2 月末日現在)
出所: World Federation of Exchanges (2017 年2 月末日現在)

 

※日本での取引の場合、証券会社によって取扱時間が異なります。

※サーキットブレーカー制度が採用されており、指数が一定以上下落した場合に取引を  中断するケースがあります。

米国以外の企業の株式を米国市場で売買できる「ADR」

ADR(American Depositary Receipt=米国預託証券)とは、米国以外の企業の株式を米国市場などで流通させるために、預託機関によって原株式を裏付けに発行された証券です。このADRを通じて、ニューヨーク市場やNASDAQ(ナスダック)市場で世界中の企業に投資することが可能となっています。ADRの売買方法、ルールは通常の米国株と同様です。

 

最近ではブラジル、インド、中国など新興国の有力企業が競って上場しています。いずれも、米国の一般会計原則に準拠して財務情報が開示されています。代表的な銘柄としては、インドのインフォシス、タタ・モーターズ、中国のアリババ、チャイナモバイル、ペトロチャイナ、ブラジルのイタウ・ウニバンコ・ホールディング、ペトロブラスなどが挙げられます。

株価を判断する主要指数

<ダウ工業株30種平均> Dow Jones Industrial Average 

米ダウ・ジョーンズ社が発表する代表的な株価指数です。米国を代表する工業株30社を組み入れ対象とし、各社の株価を平均して算出されます。採用銘柄の30社は、いずれも世界的に知名度が高い大型優良企業です。構成銘柄は定期的に入れ替えが行われ、算出を開始して以来、現在まで残っている会社はゼネラル・エレクトリック社のみ。大半はNYSE上場銘柄ですが、ナスダック銘柄の一部も採用されています。

 

<ナスダック総合指数> Nasdaq Composite Index 

ナスダック上場の全銘柄について、時価総額の加重平均を算出したものです。1971年2月5日の株価を基準値(100)として計算されます。ハイテク、バイオ関連銘柄などが多く、それほど歴史が古くない企業が目立ちます。アップル、インテル、フェイスブックなどが採用されています。

 

< S&P500種> Standard & Poor's 500 Stock Index 

格付け大手スタンダード&プアーズ(S&P)社が選定した主要500社について、時価総額の加重平均を算出した指数。ダウ工業株30種平均よりも多くの業種をカバーしているため、機関投資家が運用を行う場合の代表的ベンチマークとされています。

 

<ダウ採用30銘柄>

 

ティッカー 英文社名 日本語社名
AAPL APPLE INC. アップル
AXP American Express Co アメリカン・エキスプレス
BA Boeing Co ボーイング
CAT Caterpillar Inc キャタピラー
CSCO Cisco Systems Inc シスコシステムズ
CVX Chevron Corp シェブロン
DD E I Du Pont De Nemours And Co デュポン
DIS Walt Disney Co ウォルト・ディズニー
GE General Electric Co ゼネラル・エレクトリック
GS The Goldman Sachs Group, Inc ゴールドマン・サックス
HD Home Depot Inc ホーム・デポ
IBM International Business Machines Co IBM
INTC Intel Corp インテル
JNJ Johnson & Johnson ジョンソン&ジョンソン
JPM JPMorgan Chase and Co JPモルガン・チェース
KO Coca-Cola Co コカ・コーラ
MCD McDonalds Corp マクドナルド
MMM 3M Co スリーエム
MRK Merck & Co Inc メルク
MSFT Microsoft Corp マイクロソフト
NKE NIKE, Inc ナイキ
PFE Pfi zer Inc ファイザー
PG Procter & Gamble Co プロクター&ギャンブル
TRV Travelers Companies Inc トラベラーズ
UNH UnitedHealth Group Incorporated ユナイテッドヘルス・グループ
UTX United Technologies Corp ユナイテッド・テクノロジーズ
V VISA INC ビザ
VZ Verizon Communications Inc ベライゾン・コミュニケーションズ
WMT Wal-Mart Stores Inc ウォルマート
XOM Exxon Mobil Corp エクソンモービル
米国株四半期速報 2017年春号

米国株四半期速報 2017年春号

亜州IR株式会社

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米国企業への投資を考える個人投資家がここ数年で非常に増えてきました。弊社米国株四半期速報は2012年春号の初版から5年に渡り、四半期ごとに発行。米国株投資家必携のハンドブックとして親しまれてきました。編集の基本方針…

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