前回に引き続き、「白内障」に関するQ&Aを見ていきましょう。今回は、強度近視の場合「白内障手術」は難しいのかも併せて説明します。
白内障治療に使う「人工レンズ」・・・その調整方法は?
Q:両目ともマイナス0.7Dで、右目だけ白内障の症状があります。片方だけ手術すると、私のような近眼視の場合、人工レンズの調整が難しいそうです。「マイナス3Dの人工レンズを入れて、有水晶体のほうはマイナス5Dの眼鏡にすればよい」と医師に言われました。「人工レンズをマイナス5Dに合わせてもいいのでは」と思ったのですが、どうですか?
A:左目に白内障の兆候がないなら、それもひとつの考え方です。左目が少し白内障の兆候があるようであれば、今後のことも考えて近視を軽くしたほうがいいので、近くが眼鏡なしで楽に見えるぐらいのマイナス3D〜4Dに合わせておくのがよいでしょう。
強度近視の場合、眼内レンズの装着が困難だが・・・
Q:両目とも強度近視、乱視、白内障です。強度近視の人は、白内障手術は難しいのですか?
A:もともと眼内レンズは平均的な眼軸長(目の奥行き)を元に設計されています。眼軸が平均から大きく離れる場合は、術後の予測が難しく予想外にズレてしまう可能性はあります。最近は、研究が進み、ズレは減ってきています。
日本眼科学会認定眼科専門医
指導医
1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。
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