前回に引き続き、白内障手術後の「矯正方法」に関するQ&Aを見ていきます。今回は、白内障手術後、視界が青くなった場合の原因と、対処法を探ります。
レーザー治療は、白内障手術後2カ月で行うことが可能
Q:術後2カ月で後発白内障と診断されました。進行が早いようで、レーザー治療をすることになるかもしれません。早期のレーザー治療は硝子体が出てくると、別の先生に言われましたが、レンズの安定を待つのか、レーザー治療を受けるのか、どちらを優先すべきでしょうか?
A:後発白内障とは術後、レンズを固定している水晶体嚢が時間とともに濁ってくる状態で、ある程度の割合で生じます。通常2カ月経過すると水晶体嚢もある程度硬化しているので問題なくレーザー治療ができます。一般的に、後発白内障は、レーザーで濁りを取り除いたら再発しません。
術後視界が青くなる「青視症」・・・サングラス等の使用を
Q:術後、目が太陽の下で青白く見えます。
A:白内障手術後に、青白く見える症状は青視症と呼ばれるものです。これは従来の眼内レンズが、水晶体に比べ短波長光(いわゆる青色光)の透過率が高いために起こります。時間とともに順応して気にならなくなることが多いのですが、今回のようにずっと症状が残ることもあります。青視症が気になる場合は、サングラス等での対処をおすすめします。
日本眼科学会認定眼科専門医
指導医
1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。
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