『信頼経営 仕事人として、人として何よりも大切なこと』
鎌倉 達郎
出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング
発行年月:2025年7月
美容整形――。
今でこそ、QOLを向上させる医療サービスとして、広く受け入れられるようになり、自ら美容整形を受けたと公言する芸能人も珍しくなくなりました。しかし、この言葉を聞いて「怖い」「不安」「信用できない」といったマイナスなイメージを持つ人も少なくありません。このような美容医療業界のなかで著者は、いかにして「患者様やスタッフ、そして業界の仲間と信頼関係を育むか」が重要な課題であると語ります。
著者は外科医としての約6年間の勤務後、美容外科医となり、現在は日本・アジアに展開する聖心美容クリニックの統括院長を務めています。自身だけでなくグループ全体が成長してこられたのは、何よりも「信頼」を育んできたからだと著者は考えています。
例えば、どれほど治療技術や機器が優れていたとしても、信頼が築けていなければ患者様の不安を拭い去ることはできません。また、いくら医師に技術や経験があっても、クリニックを支えるスタッフたちとの信頼が築けていなければ安全な医療体制を築くことは難しく、患者様に安心を提供することができないのだといいます。また著者は、同じ業界に身を置く他院の医師たちとも信頼関係を大切にしてきました。ビジネス上は競争相手ではあっても敵視するのではなく、より良い技術や知識を共有することで、業界全体の底上げを目指しているのです。
このように人と人との信頼関係を土台にして組織や企業を運営していく経営スタイルを、著者は「信頼経営」と名付けました。合理性や数値目標だけを考えて経営を行うのではなく、人間性・誠実さ・対話・共感といった〝見えない力〟を大切にする――それが信頼経営です。
本書では、美容医療という特殊な世界の中で、医師そして組織のトップである著者がどのように信頼を築き、育て、守ってきたのか、実際に行ってきた工夫や取り組み、あるいは苦い失敗談も含め「信頼経営」について率直につづっています。
「信頼」というテーマは、すべての仕事、組織、人間関係に通じる本質であり、決して美容医療の現場に限った話ではありません。すべてのビジネスパーソンに向けて、信頼関係を築くことの大切さを伝える1冊です。
掲載記事
[連載]急成長する「美容医療業界」で「信頼経営」をいかに積み上げてきたか?
- 【第1回】 【第1回】「an・an」からSNSへ。美容クリニック、情報発信の変遷と「信頼される」ための条件(全10回) 2025/08/06
- 【第2回】 【第2回】「プチ整形」ブームの代償。市場拡大が招いた“美容医療・安売り競争”のワナ(全10回) 2025/08/07
- 【第3回】 【第3回】偉大な外科医の「まだ早い」。“直美”を希望する若手医師に伝えたい言葉とは(全10回) 2025/08/08
- 【第4回】 【第4回】美容医療は緊急を要しない。だからこそ、対面でのコミュニケーションに時間をかけるべき(全10回) 2025/08/09
- 【第5回】 【第5回】「美容外科医です、とは言えなかった」…かつての偏見と、SNS時代の新たな“病理”(全10回) 2025/08/10
- 【第6回】 【第6回】なぜ聖心上海院は、コロナ禍とロックダウンを乗り切れたのか?(全10回) 2025/08/11
- 【第7回】 【第7回】かつてのライバルが仲間に。変わりゆく美容医療業界(全10回) 2025/08/12
- 【第8回】 【第8回】「つべこべ言わずに打て、金ならある!」深夜の修羅場で貫いた、若き外科医の譲れない一線(全10回) 2025/08/13
- 【第9回】 【第9回】「直美=悪」ではないが…そこにある〈闇〉と、解決のための一歩(全10回) 2025/08/14
- 【第10回】 【第10回】胡散臭いと言われた美容医療業界は、どこへ向かうのか。若手育成とオープンな姿勢に託した未来(全10回) 2025/08/15
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