入居者を引き寄せるための「独自の魅力」を追求した「ミュージション」。今回は、その魅力についてより詳しく見ていきます。

音楽を思い切り楽しめない環境で生きている現代人

筆者がミュージションを作ったのは、音楽が人の生き方と深くリンクしていると感じるからです。アインシュタインは、「もし自分が科学者になっていなかったら、音楽家になっていただろう」という言葉を遺しています。音楽は一流の科学者であった彼の中で、科学と同じくらい尊い領域でした。それくらい、音楽とは人間にとって大きな価値を持つものなのでしょう。

 

考えてみれば、古くから人間と音楽はずっと一緒でした。最初のきっかけは、宗教的な儀式や、雨を降らせる祈りだったのかもしれません。音楽によって傷ついた心を癒したり、闘争心を駆り立てたりしたこともあったはずです。人間のDNAには、音楽を聴いたり奏でたりすることで、感情が高ぶるような記憶が刻まれていると思うのです。しかし、多くの現代人は、音楽を思い切り楽しめない環境で生きています。その状況を、ストレスに感じている人は、決して少なくはないはずです。

精神的な充足感を求めてやって来る入居者たち

ミュージションに住む人たちは、周辺相場よりも1・3倍ほど高い家賃を支払っています。その中にはプロのミュージシャンを目指して、派遣社員や契約社員として働いているような人もいます。

 

彼らが、決して安くはないその家賃を払い続けるのは、音楽とともに暮らすことで得られる精神的な充足感が大きいからでしょう。ミュージションに住むことで彼らが得ている満ち足りた気持ちというのが、「コンビニが近くにあって便利」とか「ミストサウナや床暖房があってよかった」というレベルとはまったく違う話であるということは、おわかりいただけると思います。

 

入居者の中には、アルバイトを増やしてミュージションに住む方や、親に借金をしてミュージションに越してくるという方もいました。それほどまでに音楽を求める強い欲求は、ある意味人間の本能のようなものかもしれないと、筆者は思っています。だからこそ、そこに賃貸マンションとしてのマーケットが作られ、マンション経営のチャンスが生まれるのです。

本連載は、2011年2月28日刊行の書籍『近隣物件よりも高い賃料で長く儲ける満室賃貸革命』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

満室賃貸革命

満室賃貸革命

鈴木 雄二

幻冬舎メディアコンサルティング

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