ニッチな需要を満たして周辺より高い家賃設定も可能
今、求められるのは、たくさんでなくてもいいから、必ず存在する一定の層の人々に対して、その心を確実にとらえて離さない魅力を持った商品です。そして、そんな尖った魅力を持つマンションとして筆者が提案するのが、『ミュージション』です。
ミュージション(MUSISION)という名前は、「ミュージック」と「マンション」を合わせたものです。その名のとおり、このマンションの特徴は、音楽を愛する人たちが周囲に気兼ねすることなく、室内で楽器演奏や歌、あるいは音楽作りを思い切り楽しめるということです。
ありそうでなかったこの「尖った魅力を持つ」マンションは、多くの音楽愛好家たちに選ばれ、賃貸需要の厳しい昨今においても、周辺相場より1.3倍も高い賃料を設定しても満室になるほどの人気を集めています。
2000年に建てられたミュージション川越は、完成から12年目になるにもかかわらず、賃料がまったく低下していません(むしろ一部では値上げしています)。そればかりか、近隣のマンションが礼金と敷金を次々とゼロにする中で、礼金と敷金を新築当時とほとんど変わらずにいただくことができています。これはミュージションの尖った魅力が受け入れられている証拠でしょう。
独自の魅力の追求で、人口減少の波に打ち勝つ
実は、ミュージションと似たような「楽器可」マンションは、以前から存在していました。しかし、そのほとんどは、非常に中途半端な性能で、ミュージションとは似て非なるものでした。重要なのは妥協しない性能によって、特定の人の心をつかむことなのです。中途半端な商品では、尖った魅力を発することは決してできません。
この連載の中で、人口減少社会を勝ち残るためには、普通のことをしていてはダメだと、繰り返し述べてきました。人口減少の波は、2050年に突然ガクッとやってくるのではありません。毎年、少しずつ、確実に日本の人口は減り、そのたびに賃貸マンションの空室は増え続けていくのです。
打つ手があるのなら、行動は早いほうがいいに決まっています。そして、どんな手を打つかと考えたとき、その有力な解決策のひとつが、ミュージションにあると筆者は考えます。