ホームページによる集客失敗は「業者任せ」が原因!?
今や販促・PRはウェブの時代。ホームページやブログ、SNSの発信によって売上高を伸ばしている企業の存在も目立っています。
ウェブの活用について重要性を感じているものの、従業員が数十人程度の中小企業にとってはウェブ担当の人材を配置するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
かといって、外注するとコストがかかる。それに外部の人に任せきりになると更新頻度も低くなり、ホームページは持っているけれど機能していないという状態になりかねません。
中小企業白書の「ITの活用に関するアンケート調査」によると、中小企業の約7割が自社ホームページを開設しているにもかかわらず、実際にホームページを活用して販売数・客数が大幅に増えたと答えた中小企業はわずか3.7%でした。多くの企業が、ホームページをうまく活用できていないのです。
なぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか。
ホームページによる集客に失敗してしまう企業には、共通点があります。
ひとつは、業者に任せきりにしてしまう場合。ホームページをつくれば売れると思うのは、間違いです。担当者が腰を据えて、コンテンツを精査し、運用管理をしなくてはいけません。成功している企業は必ずウェブ担当者がいて、自社内で継続的な努力をしているのです。
もうひとつは、ネット集客の仕組みやSEO(検索エンジン最適化)について学ぼうとしないこと。成功している企業にはITに詳しい人材がいたり、経営者や担当者がSEOに関して勉強したりしています。日常の業務が忙しくてコンテンツ追加に手が回らないという状況では、たとえ専門家に頼んだとしても継続的に売上高を伸ばすことはできないのです。
高い更新頻度が過去最高の売上高を生み出す
私の会社では、2016年3月の決算で売上高は過去最高を達成し、帝国データバンクの企業信用調査で全国の優良企業に選ばれました。
なぜそこまで業績を伸ばすことができたのか。
カギとなったのはウェブの強化でした。長期インターンシップ導入前の2012年に比べてウェブ経由の売上高は37%アップ。ホームページのPV数(閲覧者数)は66%アップと跳ね上がりました。ウェブ経由の受注は、全売上高の50%近くに達しています。
何が変わったかというと、更新頻度です。PRに使っているツールは、ツイッター、フェイスブック、グーグルプラス、ワードプレス、gooブログ、アメブロ、はてなブログ、JUGEMブログ、インスタグラム、FC2ブログ。インターンシップを導入してからは、学生一人あたり一日3件以上の更新をするようになりました。インターン中の学生と、アルバイトとして通っている学生を含めると全員で10人。つまり、合計で一日30件、月に1000件近くのページが更新されていることになります。
記事の内容は、現場の施工写真や商品紹介がほとんどです。何を掲載するかは各個人に任されていますが、統一しているのは写真を入れることと、タイトルを工夫すること。たとえば、「キャンプテント」ではどの会社でも同じようにいえることなので書きません。「キャンプテントの秘密とは」と、人の注意を引く言葉を入れるとクリック率が変わります。
掲載する記事についても季節感を意識して、夏だったらパラソル、秋はアウトドア用テントなど、その時期に合ったものを発信しています。これは私から指示をしたことではなく、すべて学生自身が考えて実行していること。学生同士で他のメンバーと内容が重ならないように、「今日はこれを書く」と連携を取って進めています。
毎日30件、月に1000件、ストックが増えるということは、それだけインターネット上に情報が蓄積されていくということです。その情報量こそが過去最高の売上高を生み出した仕掛けです。
現在は、新規の問い合わせが毎日来ますが、ブログの中から探した、というよりも検索したときにブログの記事が引っかかったというケースが多い。SEOについては学生全員が一定の知識を持っていて、リーダーが最新情報を集めて使える情報があれば共有するという形です。