中小企業は、一刻も早く若い人材を確保すべき
慢性的に若いマンパワーが不足すると、企業にとってさまざまな悪い影響が及びます。そのひとつが、ビジネスチャンスを逃すということです。
現在、日本は成熟社会を迎え、国内のマーケットは縮小しています。一方、グローバル化の進展により、市場は世界に広がった反面、競争相手は国内だけでなく海外にまで広がっています。
このような状況では、今までと同じ仕事をしているだけの会社は、業績が下がる一方です。新商品の開発や新業態への挑戦、海外進出によるマーケットの開拓など新たなチャレンジをしなければ未来はありません。
とはいえ、人手も資本もない中小企業は、新しいチャレンジに取り組む余裕がありません。経営者は頭では理解しつつも、目の前の仕事に追われる日々を過ごしているのが現状なのです。
日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の新事業展開に関する調査」では最近10年間に新事業を行っているかという質問に対して「はい」と回答したのは43.1%、「いいえ」は56.9%でした。さらに「新事業」の内容をさらに細かく3パターンに分けると、①「新商品あり」は17.2%、②「新分野あり」は8.9%、③「両方あり」は17.1%です。
従業者数別に見ると、新事業に取り組んでいる企業の割合が最も多いのは100人以上の中小企業です。従業員規模と比例していて、10~19人の層は「従来商品のみ」と答えたのが64.6%でした。人数が少ない企業ほど新事業への取り組みが難しいことが分かります。
そして、そうした新事業が業績に与える効果を見てみると、「従来商品のみ」と答えた企業のうち、10年前と比較して売上高が増加した企業は38.5%、減少した企業が58.1%。明らかに従来商品だけで勝負している企業は業績が落ちている可能性が高いのです。
一方で、③「両方あり」の企業では売上高が増加した企業が57.7%と、減少した企業の39.7%を大きく上回りました。売上高の内訳から分かるのは、従来商品の売上高は減少しているものの、新分野での数字を合わせると全体の売上高が上昇している、ということです。
[図表]10年前と比べた売上高の増減
つまり、中小企業は既存のビジネスだけでは売り上げはジリ貧に追い込まれてしまうということです。だからこそ、今中小企業がすべきことは、一刻も早く若い人材を確保して、彼らを使った新しい事業に乗り出すことだといえます。
日々の業務をこなすだけでは、新事業に挑戦できない
かくいう私の会社も、長期インターンを活用し始める4年前までは、新しい挑戦をすることなどできない体質でした。従業員たちは日々の与えられた業務はよくこなしてくれていましたが、私が求めている「新しい事業」に手を回す余裕はなかったのです。
そのため、売り上げも伸びません。「このままではいけない」「なんとかしたい」そんな危機感を抱きながら、具体的な打開策を見出せないでいました。