今回は、現金1億円と1億円で買った土地、どちらの相続税が安いのかを見ていきます。※本連載は、エクスプレス・タックス株式会社の代表取締役で、税理士の廣田龍介氏による著書、『事例でわかる高齢化時代の相続税対策』(毎日新聞出版)より一部を抜粋し、相続の基本的な知識を、事例を交えながら紹介します。

地価が上昇するに従い、相続税評価額も吊り上がる

2015年分の路線価が7月1日、国税庁から公表された。東京23区内の住宅地は下げ止まりから少し上昇、商業地は10%程度の上昇となった。特に、人気エリアは住宅地、商業地を問わず10%以上上昇している。

 

【高齢化時代の相続税対策】

1平方メートルあたり路線価×土地面積=相続税評価額

 

地価が上昇するのはありがたいのだが、それに伴って相続税評価額が上がるのも困りものだ。

土地には色々な形状があるため、計算は一律ではない

土地そのものの価格=地価は、国土交通省が毎年1月1日に公表する「公示地価」で表されるが、相続税評価額を決める基準は、実は地価ではない。国税庁が毎年7月1日に公表する「路線価」である。

 

路線価は道路ごとに設定される指標で、おおむね公示地価の8割程度の水準と規定されている。相続税評価額は、「路線価」に土地の面積をかけて算出するが、土地にはさまざまな形状や利用形態があるため、計算は一律ではない。

 

形、面積、用途、利用状況、道路に接する状態を考慮し、例えば路線価が付いた道路から奥まっていたり、不整形だったりすると、補正して評価額を減らす。

 

土地評価を依頼されると、私は必ず現地を確認することにしている。隣地との境界線はどうなっているか、道路から何メートル奥にあるか、間口、道路幅は何メートルか――を撮影して確認し、それぞれの補正率を適用して正確に評価額を算出する。相続税を節約するためにはこのような作業が欠かせない。

 

この話は次回に続く。

本記事は、毎日新聞のニュースサイト「経済プレミア」に2015年6月から連載されている「高齢化時代の相続税対策」と、同名の書籍(毎日新聞出版刊)を元にしています。その後の税制改正などには対応していない可能性もありますのでご了承ください。

事例でわかる 高齢化時代の相続税対策

事例でわかる 高齢化時代の相続税対策

廣田 龍介

毎日新聞出版

相続税が増税され、富裕層でなくても相続の正しい知識と対策が必要な時代になりました。少子高齢化・長寿化で生前対策の重要性も増しています。あなたの大事な資産を生かす方法を、税理士の廣田龍介さんが指南します。毎日新聞…

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