税理士・会計士は本来、記帳代行を任せる相手ではない
前回の続きです。
もちろん、IT化といっても誰もが簡単に行えるわけではありません。慣れるまではソフトの操作に手間取る人もいるでしょう。そんな時、親身になって指導してくれるのが税理士です。税理士のなかにも、IT化の流れについていけず、今まで通り領収書をかき集め、通帳をコピーして、事務所で入力を行う、いわゆる「記帳代行」を業務の中心にしている人も多くいます。
しかし「本物の税理士」は違います。記帳代行はすすめず、会社の経理・総務の流れをしっかりと把握したうえで、業務のムダを見極め、合理化のためにどのようにIT化をしたらよいか提案してくれるはずです。
税理士や公認会計士は記帳代行を任せる相手ではありません。むしろ、経営相談に乗ってくれるパートナー、相談役なのです。その力を借りて経営計画を立てていくことで、あなたの会社の財務体力は必ず強化されていきます。
本物の税理士は「会社経営の伴走者」
「中小企業白書2012」によると、定期的に経営相談をしている経営者は全体の約36%で、そのうちの70%近くが税理士や公認会計士を相談相手としています。すでに4人に1人の企業経営者は、記帳代行を超えた仕事を税理士や会計士に依頼しています。
本来税理士は、帳簿付けのプロではなく、経営相談のプロなのです。
[図表]経営についての相談相手
データ入力、決算書の作成は自社で行い、できあがった決算書を見ながら、税理士と経営についての話をする。そうすれば税理士は豊かな経験と知識をもとに、中長期的な視点で冷静に分析し、適切な助言を与えてくれます。今月の売上はどうだったか、利益は低かったか、経費を使いすぎてはいないか……。そうした自社の状況を経営者自身が把握しながら、税理士とともに軌道修正を行っていくのです。
会社経営の伴走者として経営者とともに歩んでいく存在、それが「本物の税理士」なのです。