税理士と一緒にチェックすべき「5つのポイント」
これまでの連載で紹介した分析方法で会社の概要を理解したら、いよいよ窮地に陥ってしまった原因を明らかにしていきます。
自転車操業に陥ってしまった理由は一体どこにあったのか、そしてどんな課題を解消していけば、事業を再生することができるのかをはっきりしていくのです。
これまでのSWOT分析や決算書をすべて広げて、税理士と一緒にチェックすべきポイントは次のようなものになります。
●決算書の損失の理由
決算書を参照し、大きな損失がないかどうか、またあるとしたらその原因はどこにあるのかを検証します。
●業界の動向と自社の業績の推移
業界全体の売上推移を検証し、自社の売上推移と同じような動きをたどっているかどうかを見ます。
●営業の方法について
今までどんな営業を行ってきたかを改めて明らかにし、他にできることがなかったか、新規顧客の開拓が行えているかを改めて検討します。
●経費削減を実行してきたかどうか
会社としてのコスト意識があるかどうかを検証します。月の経費目標値を決め、目標を実現する体制へと少しずつ意識を変えていくことが必要です。
●遊休不動産がないか
稼働していない工場、使用していないビルなどがないかどうか、改めて洗い出しをします。こうした遊休資産が存在するということは、その分資産が活用されないまま眠っているということになります。企業の再生のためには、早期での処分が重要です。こうした不動産を明らかにし、売却の意思を計画書で明らかにしていきます。
[図表]事業再生計画書の例
課題を明らかにし、施策を事業再生計画書に落とし込む
これらのベースになるのは、連載第6回で紹介した「限界利益」と「必要利益」です。この2つの利益の数値をもとに、先に紹介したさまざまなポイントを検証していくことになります。
こうした要因については、経営者が1人で洗い出すことは不可能です。そのため、税理士と決算書などを見ながら一つずつ確認していくことになります。
課題は、「解決策」と表裏一体です。課題が明らかになれば、その課題を一つひとつ解消していくことが問題解決の道筋になります。課題を明らかにし、具体的な施策として、事業再生計画書に落とし込んでいきます。