全国的にもメジャーな「烏丸三条」という地名ブランド
賃貸業の最終的なエンドユーザーは入居者です。入居者に選ばれ、高稼働を維持できる一番の理由は、やはり京都市内の好立地にあること。これに尽きます。
好立地であることは、その物件の何よりの資産価値です。当社で分譲している新築物件でも、地名によって販売の勢いが全く違います。
一例を挙げると、「烏丸三条」。烏丸通沿いで四条の上の三条通、ビジネスの中心地……そんなイメージが浸透しているので、すぐに「ええ所やね」と伝わります。このような場所にある物件は、すぐに売れますし、賃貸に出した場合もすぐ入居者が決まり、入れ替えの際にも賃料はほとんど下がりません。
なお、「べラジオ烏丸三条2」という物件を分譲した際には、東京で日本経済新聞社主催の不動産投資フェアに初出展しましたので、景気付けに「この不動産投資フェアで新物件を発表します!」とリリースしました。結果、東京の投資家の方がパンフレットを持って帰り、約1カ月で完売し、その他も含めて37戸も売れました。土地勘のない東京の方にも「烏丸三条」という地名のブランド価値は伝わるのだと、改めて驚きました。
一方、堀川、今出川など、我々京都の人間にはわかるけれども、関東の方には全く知られていない場所にある物件は、やはり販売の出足が遅くなっています。
「全国的にメジャーな地名」は、それだけで売りやすく、資産価値の維持につながります。多少高くても、立地と地名にはこだわるべきです。
優良な中古物件を探す方法は少ないが…
東京や大阪の市場を見ている投資家には「中古のマンションなんか探せばいくらでもある、めぼしい物件がなかったら他の不動産会社を当たればいい」という感覚を持っている人が多くいます。しかし、京都は、前述したように閉鎖性の強い小さな市場ですので、めぼしい物件の情報が流れていなければ、もう本当に紹介できる物件がないのです。ですから「いい物件が出たら紹介してください」と京都の不動産屋さんを依頼して回るくらいしか、優良な中古物件を探す方法はありません。
京都の不動産会社の営業マンは、多くのお客様から同じことを頼まれています。特に投資用マンションに関しては、お客様からの反響やアプローチはあっても、紹介する物件がないので日々オーダーが溜まっている状況なのです。
一人の営業マンが把握できる見込み客の数には限りがあります。すでに取引のある得意客なら別ですが、一度名刺をもらっただけで取引実績もないお客様の場合、物件が出たとしても紹介される優先順位は低いはずです。特に他県に住んでいる場合は、すぐに購入の判断ができません。融資付けの問題もありますので、なおさら見込み客としての順位付けが低くなるのは、仕方のないところです。
では、京都で優良な中古物件を購入するにはどうすればいいのか。
これはもう、運よく自分の基準に合う中古物件が出たら、スピード勝負で買うことです。常に行列ができている状態で足が早いので、思い切りが必要になります。
中古物件の場合は、物件と個人の属性によって、いくらまで融資が出るかわかりません。せっかくいい物件を見つけても、結局資金調達ができず、諦めざるを得なかったという人も多いのです。あらかじめいくら頭金を用意でき、いくら借入ができるのか、どのような物件であれば担保価値があり銀行評価が伸びるのかを調べ、審査用の書類なども用意しておくとよいでしょう。