審査用の書類を出し渋る入居希望者は要注意
入居審査については、オーナーさんやPM会社は直接入居希望者とやりとりするわけではありません。入居希望者の見極めが仲介会社を介して間接的になってしまうわけですから、最低条件として保証会社に入るというのは必要です。これは経済的なリスクヘッジのためです。保証会社に入れるかどうかというのは審査に通るかどうかということですから、とてもわかりやすい指標だと言えるでしょう。
問題は、経済的な問題以外の定性的な面をどう判断するかという点です。定性的な面とは、例えば暴力団関係者であったり、騒音を出すような問題を引き起こす人であったりという面です。これらは保証会社の審査ではすべてがわかるわけではありません。
見分け方は客付(仲介)会社から書類を多くそろえてもらうことで判断します。免許証のコピー、勤めている会社の情報等です。書類はできるだけ原本に近い形でそろえてもらいます。例えば免許証のコピーをFAXではなく、郵送してもらい、できるだけ、本物の情報を得て見極める精度を高めます。自営業者で事業内容が不明瞭であったり、免許証の提出を拒んだり、緊急連絡先に親族の連絡先を書かなかったりする、といったケースは注意が必要です。
最後は勘に頼らざるを得ないのですが、経験の中から危ないと判断される場合は勇気を持って入居を断ることも重要です。また、当社の事例では、仲介会社と繰り返し取引していますので、変な入居者を紹介されるリスクは低くなっています。仲介会社としてもPM会社はお得意先で、滞納等トラブルを起こす入居者を紹介するわけにはいきませんので、慎重な審査をかけるということが習慣化しているわけです。そのためにも、スケールメリットの働く管理会社を選択することは大切です。
賃貸仲介の世界はまだまだアナログな関係が重要
昨今は、インターネットで簡単に部屋を探せる便利な時代となりました。希望条件を入力すれば、その条件に見合ったいくつもの部屋が簡単に閲覧できます。
そのような時代ですから、賃貸の募集においては、いかにインターネットでの広告宣伝活動が重要であるかと思われるかもしれません。しかし当社では現在、自社でアットホームやヤフー不動産のようなインターネット広告を行っていません。
それには、「PM型」の管理会社の立ち位置が、入居希望者を直接見つけるものではなく、賃貸仲介会社に対しての依頼活動をするものであるから、という理由もありますが、それ以上に、この賃貸仲介の世界はまだまだアナログの世界であるからです。
部屋を探しに店舗に行った人は、当然店舗(窓口)で賃貸営業マンから話を聞くことになります。すると「ネットでAという部屋を見たのですが、実際に部屋は見られますか?」という話になりますが、そのままAの部屋だけをその営業マンが案内することはあまりないでしょう。それよりも、「もっといい部屋Bがありますよ。Aはもう決まってしまったのでCという部屋がありますよ」といったやり取りのほうが、現場では行われています。
なかにはインターネットで見て問い合わせをし、そのままその部屋に決めるというケースもあるでしょう。しかしオーナーさんの立場で考えれば、効率と確実性のどちらから見ても、力のある賃貸仲介会社に営業(募集の依頼)を行うほうが、圧倒的に有効なのが現状です。
もちろんインターネット広告は出したほうが良いわけですし、賃貸仲介会社にネットへの掲載を依頼する必要はあります。しかしインターネットに掲載しただけで空室が決まるようなことはないということをお伝えしたいのです。今後ネットの重要性は高まっていくと思われます。しかし、現時点では、やはり先に述べたように、ネットだけに頼っても思ったほどの効果は上がりません。賃貸仲介会社へ営業(募集依頼)を行い、優先的に入居希望者を紹介してもらえる関係を構築することが重要です。