今回は、ペルーとコロンビアの「食品市場」の現況を見ていきます。※本連載は、公認会計士・税理士で、久野康成公認会計士事務所所長、株式会社東京コンサルティングファーム代表取締役会長の久野康成氏が監修した『新興国ビジネス業界地図』(TCG出版)から一部を抜粋し、激変する新興国市場のうち、特に注目したい4カ国の現状と今後の動向予測を見ていきます。

都市化が進むペルー、米国資本が進出するコロンビア

アンデスやアマゾン上流域において個人商店などの伝統的な生産・流通が主流のペルーだが、首都リマでは人口集中と都市化が進み、アリコープなどの組織的生産・流通形態が急速に普及している。

 

 

一方、カリブ海に港湾を持つコロンビアは、伝統的に対米関係が強く、アメリカの消費財が浸透しており、地元の大手企業も育っている。

 

国内最大チェーンのマクドナルドや、クレープ・アンド・ワッフルなどの外食産業、米・メキシコ系フェムサ・コカ・コーラなどの飲料産業、メデジンを本拠とするチョコラテスやコロンビア最大の食品会社グルーポ・ヌトレサなどの食品産業と多彩。

内需を押し上げる中間層

今世紀初頭の1人当たりのGDPは2,000USドル程度だった両国も、2014年にはペルーが3,710億USドル、コロンビアが3,784億USドルとなり、中間層が内需を押し上げている。

 

人口も中南米ではブラジル、メキシコに次ぎ、コロンビア4,766万人(3位)、ペルー3,142万人(5位)で、食品や衣料品などの消費財マーケットの規模が大きく、今後はさらなる拡大が見込まれる。

新興国ビジネス業界地図

新興国ビジネス業界地図

久野 康成

TCG出版

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