「お客さまの目線」で歩いた周辺マップが重要
前回の続きです。
続いて周辺マップの作り方です。これはただの地図ではありません。あなたが作るオリジナルマップなのです。下の図表をご覧ください。
[図表]周辺マップの例
この例のように、マップの下敷きとなる地図は、グーグルマップでもヤフーの地図でも参考にさせてもらうと良いでしょう。もちろん手書きでも構いませんし、先述の間取図作成ソフトに付属しているもので作成しても構いません。作成の流れを説明します。
1.下敷きとなる地図を用意し、地図を描く
2.その地図を持って物件の周辺をお客さま(入居者)の目線で歩き、情報を収集する
3.情報を地図に落とし込む作業をする
4.すべて地図上に表したらパウチする
以上です。ポイントは「お客さまの目線」で歩くことです。お客さまはお部屋探しの際にどういった店舗や施設を重視するかということを考えてみてください。先日某大手ポータルサイトの営業担当者と話をしていたら、こういうことを聞きました。最近の20代・30代の男女は自宅の周辺に次の三つの店舗があるかを確認する、と。
●TSUTAYA(レンタルDVDショップ)
●ブックオフ(チェーン展開している古本屋)
●オリジン弁当(できたて弁当のチェーン店)
どれも人気店です。これらの店舗が近くにあれば、目立つようにしてマップ上に表示すると良いでしょう。また、たとえこれらの店舗が近くになくてもがっかりする必要はありません。お客さまが必要としているのは「生の情報」です。クリーニング店やスーパーが夜の何時まで開いているかという情報は、通常は自分で調べなければならないものですが、そういったものがマップに載っているとありがたいものです。
不動産営業マンが物件周辺をよく知らないことも…
ここで、なぜ周辺マップを作ると良いのかを考えてみてください。
内見は通常不動産営業マンがお客さまを案内するという形で行われます。その時に優秀な営業マンはその街を知らない人に生活利便施設の場所などを説明します。しかし、新人の営業マンや仕事のできない営業マンはまったくそういうことをしません。新人の営業マンで違う街から通っている人などは、物件のある街について十分に知らないというケースもあります。そうすると誰がそういうことを説明してくれるのでしょうか。
もうおわかりですね。大家であるあなたが教えてあげればいいのです。周辺マップを作って不動産業者に「物件を紹介するときに、これもお客さまに見せてください」と渡すだけです。ぜひやってみてください。また、空室内にカラーコピーしたものを置いておくのも良いでしょう。何枚かまとめて置いておき、「どうぞご自由にお持ち帰りください」としておけば手に取りやすくなります。