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「負け組」になった理由
「乾杯!」
定年退職を迎えた佐藤正男さん(仮名/65歳)は、同期の集まりに参加していました。久しぶりの顔ぶれに懐かしさを覚えつつも、「あいつから見れば俺なんて負け組だ」と、胸の奥にわだかまる感情を押し殺します。乾杯の音頭をとったのは、かつての同期・田中さん(仮名)。いまや某大手企業の役員として、年収は2,000万円超とも噂されています。
一方、佐藤さんは定年まで平社員のままでした。年収は800万円台で、退職金も比較的少ない金額です。彼が出世コースを外れたのは、40代半ばの人事異動がきっかけでした。同期が管理職へと昇進していくなか、自分は地方支社への異動を命じられ、そのままキャリアの軌道修正ができませんでした。
40代のころは「いまに見てろ」という思いでなんとか挽回を試みましたが、その闘争心も月日の経過とともに薄らいでいき、「まあ、それなりにやってこられたから……」そう言い聞かせてきました。しかし、ふとした瞬間に湧き上がる後悔。特に、同期との年収差を実感するたびに、自分の人生を振り返らずにはいられませんでした。
年金にも影響する「現役時代の収入差」
「サラリーマン人生なんて振り返ればあっという間だったな。気が付けば年金生活か……。お前、年金はどれくらいもらえる?」会話の流れで、田中さんが佐藤さんに問いかけました。
「……まあ、人並みにはな」佐藤さんは曖昧に笑ってごまかしました。しかし、実際の年金額を知れば、田中さんとの格差は歴然です。
現役時代の収入が高いほど、厚生年金の受給額も増えます。田中さんのように高給取りだった人は月額30万円以上の年金を受け取れますが、年収が伸びなかった佐藤さんは月額24万円ほどです。しかも、田中さんは企業年金や退職金もしっかり準備しています。
「なんでこんなに違うんだ……」酒が回るにつれ、佐藤さんの心に沈殿していた悔しさが浮かび上がります。かつての同期たちは、余裕のある老後を楽しもうとしています。しかし、自分はどうでしょうか? 年金だけでは生活が厳しく、アルバイトを考えなければならない状況です。
「現役時代だけじゃなく、老後も負け組が続くのか……」この現実に直面したとき、佐藤さんはようやく、自分の“失敗”に気づきました。
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