不動産業者に直接訪問して客付けを「営業」する
この連載の題名を見てあなたは驚いたかもしれません。えっ? 大家なのに営業が必要なの? と。そう思った方にこそ、この連載をじっくりと読んでもらいたいのです。今までの不動産コンサルタントは営業という言葉を使ってこなかったかもしれませんが、私はストレートにこの言葉を使っています。
では、大家さんがどういうところで営業が必要かということについてお話しします。これは、一般募集の場合に各不動産業者に募集をお願いするときに必要となります。自分の物件を売り込む作業なので「営業」としています。
あなたは不動産業者に媒介をお願いするときにどのようにしているでしょうか。ただ普通にやっていて空室が埋まっていれば問題ありません。そうでないなら、やはり直接訪問して客付けをお願いするということになります。
もしも不動産業者について怖いというイメージを持っているとしたら、前述したように「不動産業者の大半はまじめに一生懸命に仕事をしている人たち」なので問題はありません。ですからまずは飛び込んでいってみてください。
首都圏なら少なくとも50社は訪問する
まずどの不動産業者を訪問するかということですが、その流れは次のようになります。
1.物件の「最寄駅」の不動産業者を訪問する
2.物件の「周辺」の不動産業者を訪問する
3.物件の「最寄沿線 」(最寄駅の隣駅から2~3駅まで)の不動産業者を訪問する
4.物件の最寄沿線の「ターミナル駅」の不動産業者を訪問する
流れとしてはまず物件の近くから遠くへという形です。どのくらいの不動産業者を訪問するかということですが、その地域にどのくらいの業者が存在するかによって変わります。首都圏なら少なくとも50社は訪問していただきたいところです。ただ、ご自身の体力もあると思いますので、多い場合は無理のないように日数をかけて訪問されると良いでしょう。では続いては、訪問したときの対応方法についてです。次のような流れになります。
①大家であることを伝え、客付けをお願いしたい旨を伝える
②営業担当者と名刺交換をする(自分の大家としての名刺も用意し、名刺は必ずもらってください。この後の戦略につながります)
③3点セット(後ほど説明します)を提示し、市況等を聞きながら客付けの依頼をする
この間15分~30分ぐらいです。たくさん訪問するためには長居をしないようにしましょう。
以上です。やることはシンプルなのです。ただ、多くの大家さんが「変に思われたらどうしよう?」などと自分で心に壁を作ってしまって、うまく行えていません。こういうことは中途半端にやっても意味がないのです。やるならたとえば「10日間で100件回る」と目標を決めてやってみてください。