用件を話す前後のコミュニケーションが重要
前回の続きです。
ホテルのフロントやインフォメーションセンターのカウンターでも特にこのハート→ビジネス→ハートのやり取りが必要になります。
●What can I do for you?「ご用件を承ります」
●Can I help you?「ご用件は何でしょうか?」
●Are you checking in?「チェックインでしょうか?」
●Are you checking out?「チェックアウトでしょうか?」
●I`ll tell you what to do.「どのようにするのがよいか申し上げます」
これらは、サービスの現場で頻出するビジネス・コミュニケーションのフレーズです。
私たちはお客様を前にすると、すぐにこう切り出しているのではないでしょうか。一般に日本人は英語を話すときには緊張感があるものです。そのためついストレートに用件に入ってしまう傾向があります。
ビジネス・コミュニケーションの前や後に言えるハート・コミュニケーションのフレーズはぜひ準備しておきましょう。覚えなくてもすらすら出てくるのであれば、問題はありませんが、そうでないのであれば、きちんと覚えて、必要なときにスムーズに口から出てくるように普段から練習しておくことが必要になります。
●Sorry,’Ill finish up here as soon as possible.「申し訳ありません。直ちにこちらを済ませますから」
●Thank you for your patience.「お待たせしました」
●Thank you for long waiting.「長いことお待たせいたしました」
●I hope you’ll enjoy the rest of your stay.「残りの日々をお楽しみください」
「ちょっとした声かけ」でグッとよくなる印象
ややもすれば単調になりがちな日々のレストラン・ホテル業務ですが、ハート→ビジネス→ハート→ビジネス→ハート……のコミュニケーションのプロセスを意識してこそ、プロの仕事といえます。
自分に足りない点はまだまだあるはず。日々改善していく気持ちをもち、毎日を生き生きと過ごしましょう。
私たちは、言葉がもつ力を見てきました。言葉の使い方一つで、状況は良い方向にいかようにも変えることができます。逆に、言葉一つで事態が急激に悪化する場合もあります。ちょっとした声かけで印象がグッとよくなるフレーズを下記でご紹介します。
[ちょっとした声かけに使えるフレーズ]
▼「〇〇に行こうと思っているんですけど」と言うお客様に対して
・Oh, that’s a good choice. 「それはよい選択ですね」
・I myself love this place. 「私もこの場所、大好きなんです」
▼「今日はこんなに大変な思いをしてきたの」と言うお客様に対して
・That’s too bad. 「まあ、それは大変でしたね」
▼カメラを持っているお客様に対して
・Did you take wonderful photos? 「よいお写真は撮れましたか?」
・How nice! (Yes. という答えに対して)
・I hope you’ll take wonderful photos. 「いいお写真が撮れるといいですね」
▼レストランに行くためにタクシーの予約を取り、戻られたお客様に対して
・How did you like the restaurant? 「レストランはいかがでしたか?」
・Did you enjoy the meal? 「楽しかったですか?」
・I’d like to visit the restaurant. 「私も行きたいと思っているんですが」
▼おめかしをしてお出かけになるお客様に対して
・Have a wonderful evening. 「楽しんでいらしてください」
・Enjoy the party. 「パーティを楽しんでくださいね」
▼レストランでワイン/料理を注文したお客様に対して
・I personally recommend this wine. 「個人的にこのワインはおススメです」
・Our guests love this wine. 「お客様は皆様、このワインがお好きです」
・This dish is very popular with our guests. 「このお料理とても人気なんですよ」
▼チェックアウトするお客様に対して
・How was your stay? I hope you have enjoyed your stay with us.
「ご滞在はいかがでしたか? 当ホテルのご滞在をお楽しみいただけましたのであ
れば大変嬉しく存じます」
・I hope you’ll have a wonderful journey back home.
「帰国の旅が素晴らしいものでありますように」
なかなか覚えられないと思うフレーズや、同僚や先輩が使っていて気の利いたフレーズがあれば、メモしておくのも一つです。フレーズを増やしていくことで、対応できる場面のバリエーションも増えていきます。