(※写真はイメージです/PIXTA)

孫の誕生日や進学祝いに、少し奮発してプレゼントを贈る祖父母もいるでしょう。普段は節約していても、孫の喜ぶ顔を見たいという気持ちから、財布のひもが緩むこともあります。しかし、子どもを育てる親には、家庭ごとの教育方針や金銭感覚があります。祖父母にとっては愛情表現のつもりでも、贈り物が思いがけない負担につながることがあるようです。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「欲しいと言えば買ってもらえる」義娘が心配していたこと

奈緒さんは、ゲーム機そのものを嫌がっていたわけではありませんでした。

 

息子夫婦も、子どもがゲームを欲しがっていることは知っていました。ただし、誕生日に購入するかどうかは、家庭内で話し合って決めるつもりだったのです。

 

「最近、息子が『おじいちゃんに頼めば買ってくれる』と言うようになったんです」

 

奈緒さんの話では、孫は以前から欲しいものがあると、両親より先に昭夫さんへ相談することが増えていました。両親が高額なおもちゃの購入を断ると、「じゃあ、おじいちゃんにお願いする」と言うこともあったそうです。

 

さらに今回のゲーム機については、裕介さん夫婦が「誕生日までに、今持っているゲームの使い方を見直そう」と話していたところでした。

 

宿題や就寝時間を守れない日が続き、ゲームをする時間について親子で約束を決め直していたのです。

 

「お義父さんが悪いという話ではないんです。でも、私たちが子どもと話し合っている途中で買ってもらうと、約束を守らなくても欲しいものが手に入ると思ってしまうので……」

 

昭夫さんは、孫から欲しいと言われたことがうれしくて、息子夫婦に確認する発想がなかったと気づきました。

 

内閣府『令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』では、日常生活で家族や知人などから頼られる内容として「お金の援助」を挙げた人は11.4%、「子や孫の世話」は26.0%でした。高齢者が家族を金銭面や生活面で支える機会があることがうかがえます。

 

昭夫さんも、孫に何かしてあげることが自分の楽しみになっていました。

 

ただ、息子夫婦が日々どのように子どもと向き合っているのか、詳しく聞いたことはありませんでした。

 

「せっかく買ったのに、もったいないな」

 

そう漏らすと、奈緒さんは申し訳なさそうに答えました。

 

「本当にすみません。でも、今回は私たちに任せてもらえませんか」

 

翌日、裕介さんからも電話がありました。

 

「父さんがかわいがってくれるのはありがたいよ。ただ、何か買うときは、先に俺たちに聞いてほしい」

 

結局誕生日当日は、息子夫婦と相談して選んだ本と、孫の好きなケーキを持って訪ねました。

 

孫はゲーム機がないことに少しがっかりした様子でしたが、裕介さんが事情を説明すると、納得してくれたといいます。

 

「おじいちゃん、今度一緒にゲームしようね」

 

そう言われ、昭夫さんは自分がすでに持っているゲームで一緒に遊ぶ約束をしました。

 

「喜ばせたい一心でしたが、親には親の考えがありますからね。これからは相談してから買おうと思います」

 

孫への贈り物は、祖父母にとって大きな喜びになるものです。一方、高額なプレゼントや頻繁な援助は、子どもの金銭感覚や家庭内の約束にも影響します。贈る前に親の意向を確かめ、金額や品物について話し合っておくことで、祖父母も親も安心して孫の成長を見守れるのではないでしょうか。

 

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