公正市場価値(Fair Market Value)とは、売り手と買い手のどちらも売買を強制されず、取引に関係する事実について合理的な知識を持っている場合に成立すると考えられる価格のことです。

 

米国では、日本の相続税にあたる遺産税(Estate Tax)の財産評価において、原則として被相続人の死亡時点における公正市場価値を基準とします。

 

上場会社の株式と異なり、非上場会社の株式には日常的に売買される市場がないため、市場価格を直接確認できないケースが少なくありません。そこで米国では、会社の収益力、純資産、配当能力、類似する上場会社の株価など、複数の要素を総合的に考慮して評価額を算定します。

 

日本でも、相続税法第22条は、原則として相続財産を取得時の「時価」で評価すると定めています。実際の評価では、国税庁の財産評価基本通達に基づき、非上場株式について類似業種比準方式や純資産価額方式などを用います。日米ともに時価を基準とする点は共通していますが、日本では通達に定められた方式で評価するのに対し、米国では個別の事情を総合的に検討して公正市場価値を算定する点に違いがあります。

 

【関連記事】

 「自社株の相続税」が大幅に増える? 国税庁が進める「非上場株式の評価見直し」に中小企業庁が意見

 

非上場株式の評価はどう変わるのか――ドイツに学ぶ「評価」と「事業承継支援」の切り分け

 

「非上場株は安すぎる」は36年前から指摘されていた――国税庁が明らかにした「株価圧縮」の実態

 

米国の贈与・相続、申告漏れで9万ドルのペナルティ…IRSが還付したのに司法省が返還を要求した理由【国際税理士が解説】

 

米国の相続税(遺産税)はなぜ控除額が大きい?日本との制度の違いを国際税務の専門家が解説

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧