公正市場価値(Fair Market Value)とは、売り手と買い手のどちらも売買を強制されず、取引に関係する事実について合理的な知識を持っている場合に成立すると考えられる価格のことです。
米国では、日本の相続税にあたる遺産税(Estate Tax)の財産評価において、原則として被相続人の死亡時点における公正市場価値を基準とします。
上場会社の株式と異なり、非上場会社の株式には日常的に売買される市場がないため、市場価格を直接確認できないケースが少なくありません。そこで米国では、会社の収益力、純資産、配当能力、類似する上場会社の株価など、複数の要素を総合的に考慮して評価額を算定します。
日本でも、相続税法第22条は、原則として相続財産を取得時の「時価」で評価すると定めています。実際の評価では、国税庁の財産評価基本通達に基づき、非上場株式について類似業種比準方式や純資産価額方式などを用います。日米ともに時価を基準とする点は共通していますが、日本では通達に定められた方式で評価するのに対し、米国では個別の事情を総合的に検討して公正市場価値を算定する点に違いがあります。
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