「歓迎されていると思っていた」息子夫婦の本音を知った男性
帰宅した昭夫さんは、しばらく落ち込んでいました。
「妻が亡くなってから、息子たちと過ごす時間が本当に楽しみだったんです。向こうも喜んでくれていると思っていました」
数日後、大輔さんから電話がありました。
「父さん、ごめん。俺から話すべきだった」
大輔さんによると、妻は以前から毎週の訪問について相談していたそうです。
平日は夫婦ともに仕事があり、土曜日は娘の習い事や家事で忙しいため、日曜日は家族3人でゆっくり過ごしたいという思いがありました。
「父さんが来るのが嫌なわけじゃない。ただ、毎週となると予定を立てにくいんだ」
昭夫さんは、息子の言葉を聞いて、少しずつ気持ちを整理できるようになりました。
内閣府『平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』によると、別居する子どもがいる高齢者のうち、子どもと会ったり電話やメールなどで連絡を取ったりする頻度が「ほとんど毎日」の人は21.8%、「週に1回以上」は34.2%、「月に1~2回」は26.5%でした。
この数字には対面での訪問だけでなく、電話やメールなどの連絡も含まれています。親子の交流にはさまざまな形があり、頻繁に顔を合わせることだけが関係を保つ方法ではありません。
昭夫さんは大輔さんと相談し、今後は月に1回程度、事前に予定を確認してから訪問することにしました。
「最初は寂しかったです。でも、孫だって大きくなれば友達と遊ぶようになりますよね。いつまでも小さい頃と同じではいられません」
空いた日曜日には、以前から興味のあった地域の囲碁サークルに参加するようになりました。妻を亡くしてから遠ざかっていた近所の知人とも、再び交流する機会が増えたそうです。
息子一家とは、孫の学校行事の写真を送ってもらったり、電話で近況を聞いたりしています。
「会う回数は減りましたが、今はお互いに予定を合わせて、気持ちよく会えるようになりました」
親が子どもや孫との時間を楽しみにするのは自然なことです。ただ、子どもが家庭を持てば、仕事や育児、休日の過ごし方にもそれぞれの事情があります。親子の交流を長く続けるためには、相手の生活を尊重し、無理のない頻度を一緒に考えることが大切でしょう。
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