(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが独立して家庭を持ったあとも、親子で定期的に顔を合わせることを楽しみにしている高齢者は少なくありません。孫の成長を身近に感じられる時間は、日々の生活の張り合いにもなるでしょう。一方、訪問が習慣になると、迎える側が予定を調整したり、食事の準備をしたりする負担が生じることもあります。親しい間柄だからこそ、訪問の頻度や過ごし方について話し合う機会が必要になる場合もあります。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「歓迎されていると思っていた」息子夫婦の本音を知った男性

帰宅した昭夫さんは、しばらく落ち込んでいました。

 

「妻が亡くなってから、息子たちと過ごす時間が本当に楽しみだったんです。向こうも喜んでくれていると思っていました」

 

数日後、大輔さんから電話がありました。

 

「父さん、ごめん。俺から話すべきだった」

 

大輔さんによると、妻は以前から毎週の訪問について相談していたそうです。

 

平日は夫婦ともに仕事があり、土曜日は娘の習い事や家事で忙しいため、日曜日は家族3人でゆっくり過ごしたいという思いがありました。

 

「父さんが来るのが嫌なわけじゃない。ただ、毎週となると予定を立てにくいんだ」

 

昭夫さんは、息子の言葉を聞いて、少しずつ気持ちを整理できるようになりました。

 

内閣府『平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』によると、別居する子どもがいる高齢者のうち、子どもと会ったり電話やメールなどで連絡を取ったりする頻度が「ほとんど毎日」の人は21.8%、「週に1回以上」は34.2%、「月に1~2回」は26.5%でした。

 

この数字には対面での訪問だけでなく、電話やメールなどの連絡も含まれています。親子の交流にはさまざまな形があり、頻繁に顔を合わせることだけが関係を保つ方法ではありません。

 

昭夫さんは大輔さんと相談し、今後は月に1回程度、事前に予定を確認してから訪問することにしました。

 

「最初は寂しかったです。でも、孫だって大きくなれば友達と遊ぶようになりますよね。いつまでも小さい頃と同じではいられません」

 

空いた日曜日には、以前から興味のあった地域の囲碁サークルに参加するようになりました。妻を亡くしてから遠ざかっていた近所の知人とも、再び交流する機会が増えたそうです。

 

息子一家とは、孫の学校行事の写真を送ってもらったり、電話で近況を聞いたりしています。

 

「会う回数は減りましたが、今はお互いに予定を合わせて、気持ちよく会えるようになりました」

 

親が子どもや孫との時間を楽しみにするのは自然なことです。ただ、子どもが家庭を持てば、仕事や育児、休日の過ごし方にもそれぞれの事情があります。親子の交流を長く続けるためには、相手の生活を尊重し、無理のない頻度を一緒に考えることが大切でしょう。

 

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