(※写真はイメージです/PIXTA)

退職金を受け取ったあと、老後資金を少しでも増やそうと資産運用を始める人は少なくありません。なかでも毎月分配型の投資信託は、定期的に現金を受け取れることが魅力です。ただし、分配金は必ずしも運用で得られた利益とは限りません。受け取る金額ばかりに目を向けていると、資産全体がどのように変化しているのか、見落としてしまうこともあります。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「年金に毎月5万円を上乗せ」退職金を運用した男性

69歳の浩二さん(仮名)は、4年前の65歳のとき、長年勤めた会社を退職しました。受け取った退職金は約2,300万円。住宅ローンはすでに完済し、妻と2人で暮らしています。

 

夫婦の年金収入は月約24万円。日常生活に大きな不自由はありませんでしたが、旅行や趣味に使えるお金をもう少し増やしたいと考えていました。

 

「せっかくまとまったお金が入ったので、銀行に預けておくだけではもったいないと思ったんです」

 

浩二さんには、現役時代に株式や投資信託を購入した経験がありました。ただ、退職後は価格の変動を頻繁に気にするより、定期的に現金を受け取れる商品に魅力を感じるようになっていたそうです。

 

そこで購入したのが、海外の債券などで運用する毎月分配型の投資信託でした。

 

退職金2,300万円のうち1,500万円を投資し、残り800万円は預貯金として確保しました。退職前からの貯蓄も別にあったため、当面の生活費には困らないと判断したのです。

 

「分配金は保証されないし、値下がりすることもあると説明されました。でも、毎月お金が入るのは安心だと思いました」

 

購入当初の分配金は、税引き後で月5万円前後。年金とは別に振り込まれるお金を、浩二さんは夫婦の旅行や外食に使っていました。

 

ところが1年ほどたつと、投資信託の評価額は購入時より下がり始めます。

 

「もちろん、値下がりしていることは知っていました。ただ、分配金を受け取っているので、それを合わせれば損はしていないだろうと思っていたんです」

 

その後、分配金は何度か減額され、月3万円程度になりました。浩二さんは残念に感じながらも、定期的な入金が続いていたため、運用方針を変えることはありませんでした。

 

しかし購入から4年が過ぎたある日、保有商品の評価額と分配金の受取総額を改めて計算したことで、認識が変わります。

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