「老後は静かな場所で暮らすものだと…」74歳夫婦の住み替え
74歳の由紀子さん(仮名)は、同い年の夫・信夫さん(仮名)と2人暮らし。夫婦の年金収入は合わせて月約38万円です。
信夫さんは長年会社員として働き、管理職を務めていました。由紀子さんも結婚後、育児による離職期間を挟みながら会社員として働いていたため、夫婦ともに厚生年金を受給しています。
2人が以前暮らしていたのは、郊外にある築40年の一戸建てでした。
「子どもたちが小さい頃は、庭で遊ばせたり、近所の公園へ行ったりしていました。ずっとここで暮らすつもりだったんです」
しかし子ども2人が独立すると、4LDKの家は夫婦だけでは広すぎるようになりました。特に負担だったのが、階段と庭の管理です。
「洗濯物を干すために2階へ上がるのも面倒になって。夏の草取りも、年々つらくなっていました」
さらに、最寄り駅まではバスで20分ほど。買い物や通院には車を使うことが多く、運転をやめたあとの生活にも不安がありました。
そんなとき、信夫さんが住み替えを提案します。
「駅の近くのマンションに引っ越さないか」
由紀子さんは賛成したものの、夫が候補として見つけてきた物件を見て驚きました。駅にほど近い築15年ほどのタワーマンションだったのです。
「この年齢でタワマンなんて、と思っていました。若い人やお金持ちが住む場所という印象があったんです」
しかし、実際に内覧すると印象が変わりました。エレベーターがあり、建物内には管理人が常駐。駅やスーパー、病院も徒歩圏内にあります。
「高層階からの眺めより、生活の便利さが気になりました。ここなら車がなくても暮らせそうだと思ったんです」
夫婦は自宅を約4,200万円で売却。売却費用などを差し引いた資金に預貯金を加え、約6,000万円の中古マンションを購入しました。
住み替え後も老後資金として約2,000万円を手元に残せる見通しだったことが、決断の後押しになったそうです。
「子どもたちにも相談しました。最初は驚かれましたが、駅に近いなら安心だねと言ってくれました」
こうして2人は、70代半ばで新しい暮らしを始めました。
