「結婚しないの?」甥の質問に答えられなかった42歳男性
42歳の慎吾さん(仮名)は、都内の企業に勤める独身男性です。年収は約850万円。長年の貯蓄と資産運用によって、金融資産は約5,000万円になりました。
「仕事も生活も安定していますし、今の暮らしに大きな不満はありません。休日は好きなことをして過ごしています」
慎吾さんは独身ですが、一人暮らしではありません。現在は75歳の母親と実家で暮らしています。
父親は6年前に亡くなり、母親が一人になることを心配して同居を続けてきました。生活費として毎月8万円を母親に渡し、家事も分担しています。
「母とは仲がいいですし、実家にいること自体は苦になりません。ただ、親戚が集まる日は少し憂鬱なんです」
慎吾さんには、結婚して家庭を持つ3歳上の姉がいます。姉一家は車で1時間ほどの場所に住んでおり、年末年始や三連休には実家を訪れます。
慎吾さんも甥たちが小さい頃は、一緒に遊んだり、誕生日プレゼントを買ったりしていました。
しかし甥が小学校高学年になった頃、何気なく尋ねられたことがあります。
「おじさん、なんで結婚しないの?」
慎吾さんは苦笑いしながら、「どうしてだろうね」と答えました。すると、姉が笑いながら会話に加わりました。
「本当よね。仕事もちゃんとしてるんだから、そろそろ結婚すればいいのに」
母親も「いい人がいたら紹介してもらいなさいよ」と続けます。
「みんな冗談のつもりなんでしょう。でも、毎回同じ話になると、だんだん居づらくなるんです」
慎吾さんは、結婚を考えたことがないわけではありません。
30代には交際相手もいましたが、結婚には至りませんでした。その後は仕事が忙しく、積極的に出会いを探すこともなくなったといいます。
「今でも、いい人がいれば結婚したいと思うことはあります。でも、誰かに急かされて決めることでもないでしょう」
それでも親戚が集まるたびに、結婚の話題は繰り返されました。姉から「そんなに貯金があるなら、結婚しても困らないじゃない」と言われたこともあります。
「お金があるなら結婚できるはず、という話になるんです。説明しても納得してもらえそうになくて」
慎吾さんは次第に、連休中は予定を入れて外出するようになりました。
