〈退職金2,100万円〉〈年金月24万円〉老後のご褒美「ファーストクラスでヨーロッパ周遊」から帰国。家族LINEで山ほど写真を共有した60代元国家公務員夫婦だったが…1週間後「家族には内緒にすればよかった」と後悔のワケ【FPが解説】

〈退職金2,100万円〉〈年金月24万円〉老後のご褒美「ファーストクラスでヨーロッパ周遊」から帰国。家族LINEで山ほど写真を共有した60代元国家公務員夫婦だったが…1週間後「家族には内緒にすればよかった」と後悔のワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

退職金を受け取り、住宅ローンを完済し、長年の仕事からも解放される。「やっと夫婦で好きなように生きられる」――現役時代にがむしゃらに働いてきた人ほど、その解放感は大きいものです。しかし老後の家計は、外からではなく“家族の内側”から崩れることがあります。本記事では波多FP事務所の波多勇気氏が、中村和彦さん(仮名)の事例から老後のマネープランを考えていきます。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

定年後も5年働き、65歳でようやく叶えた「ご褒美の旅」

「家族には内緒にすればよかったのかなと思ってしまいました」

 

筆者の事務所でそう話すのは、中村和彦さん(66歳)です。隣に座る妻の由美子さん(仮名/63歳)は、どこか落ち着かない様子でした。

 

和彦さんは大学を卒業後、国の出先機関で38年間勤務。60歳で定年を迎えた2021年3月に、退職手当として約2,100万円を受け取りました。そのうち約700万円を、残っていた住宅ローンの一括返済に充てています。その後も再任用で働き続け、65歳を迎えた年度末の2026年3月に、ようやく完全にリタイアしました。

 

由美子さんも、かつては同じ職場で働く国家公務員でした。和彦さんと結婚し、8年勤めたところで出産を機に退職。以来、専業主婦として家庭を支えてきました。

 

「夫は本当に休まず働いてきた人なんです。だから、仕事を辞めたら、一度だけ思い切った旅行をしようと2人で決めていました」

 

選んだのは、ファーストクラスでパリを往復し、スイスとイタリアも12日間かけて巡る旅です。航空券だけで、夫婦で数百万円。ホテルや現地での移動を含めると、費用は約600万円にのぼりました。

 

旅行前の資産は、退職手当の残りと、これまでの貯蓄を合わせて約3,500万円。年金は、和彦さんの分が加給年金を含めて月約24万円あります。

 

「これだけあれば、一度くらい贅沢をしてもいいかなと」

 

帰国後、由美子さんは旅の写真を親族のLINEグループに送りました。返ってきたのは、実家近くに住む和彦さんの妹・久美子さん(仮名/62歳)からの「すごいね」という短いひと言だけでした。

次ページ1週間後、妹から電話が…

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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