〈退職金2,100万円〉〈年金月24万円〉老後のご褒美「ファーストクラスでヨーロッパ周遊」から帰国。家族LINEで山ほど写真を共有した60代元国家公務員夫婦だったが…1週間後「家族には内緒にすればよかった」と後悔のワケ【FPが解説】

〈退職金2,100万円〉〈年金月24万円〉老後のご褒美「ファーストクラスでヨーロッパ周遊」から帰国。家族LINEで山ほど写真を共有した60代元国家公務員夫婦だったが…1週間後「家族には内緒にすればよかった」と後悔のワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

退職金を受け取り、住宅ローンを完済し、長年の仕事からも解放される。「やっと夫婦で好きなように生きられる」――現役時代にがむしゃらに働いてきた人ほど、その解放感は大きいものです。しかし老後の家計は、外からではなく“家族の内側”から崩れることがあります。本記事では波多FP事務所の波多勇気氏が、中村和彦さん(仮名)の事例から老後のマネープランを考えていきます。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

無理なく援助に回せるお金の限界

筆者は、次の3つを提案しました。

 

1.父親の年金と預金で賄える施設を探す

親の介護費は、まず親自身の年金と資産で賄うのが基本です。茂さんは要介護3以上と認定されれば、特別養護老人ホーム(特養)に申し込めます。所得や預金が一定以下の人は、市区町村に「負担限度額認定」を申請すると、食費と居住費が軽くなります。

 

茂さんの場合、多床室なら介護サービスの自己負担を含めても月5万円前後に収まる可能性があり、年金の範囲で暮らせる見込みも立つでしょう。入所までのあいだは、リハビリを受けられる介護老人保健施設などを利用し、不足分は茂さんの預金から充てることに。

 

2.きょうだいで「お金」と「時間」の分担を決める

民法には、親子やきょうだいが互いに扶養する義務が定められています。ただし、親への扶養は、自分たちの生活を維持したうえで余力の範囲で行うものと考えられています。

 

また、久美子さんはこれまで、お金ではなく「時間」を出して父親を支えてきました。和彦さんがお金を出す一方で、久美子さんの負担をどう減らすのか。それも含めて話し合う必要があります。

 

3.夫婦の「守るお金」を先に決める

援助の額は、夫婦が自分たちの老後のために守るべきお金を確保したうえで決めます。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2024年度)」によると、介護にかかった費用は一時費用が平均47.2万円、月額が平均9.0万円、介護期間の平均は55.0ヵ月です。

 

これをもとに計算すると1人約540万円、夫婦で約1,100万円です。これに90歳までの赤字約1,500万円を加えた額を資産から差し引くと、残りは300万円弱になります。これが、中村さん夫婦が無理なく援助に回せるお金でした。月3万円なら、8年近く続けられる計算です。

 

「家族に旅行を満喫したことを伝えたことで、これからについて話すきっかけになったと思えばよいのではないでしょうか」。筆者は中村さん夫婦にそう告げました。

2度目の家族会議

2度目の家族会議で、和彦さんは試算の結果を正直に伝え、まず頭を下げました。

 

「これまで父さんのことを全部任せきりにして、悪かった」

 

久美子さんは小さくうなずいてくれたそうです。要介護3の認定を受けた茂さんは特養に申し込み、和彦さんは、茂さんの医療費や日用品代の足しとして月3万円を援助し、あわせて月に1度は実家に帰って手続きや見舞いを引き受けることに。

 

「使っていいお金と、残しておくお金をわけていなかった。それがわかって、ようやく今後の対策が見えてきました」

 

由美子さんはそう話すと、ようやく少し表情を緩めました。

 

 

波多 勇気

波多FP事務所 代表

ファイナンシャルプランナー

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産形成】11月5日(木)
富裕層のための「資産防衛と運用」
相続を見据えた「資産の守り方・育て方」のコツ

 

【資産運用】11月14日(土)
米国株で「10倍株(テンバガー)」を狙うには?
最新AIを活用した「銘柄発掘・分析」のノウハウ

 

【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌

 

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧