「とうとう俺にも届いたか…」選ばれし者に送られる〈漆黒の招待状〉に喜びを噛みしめたタワマン在住・39歳夫だが…年収1,500万円なのに、“残高48万円”の謎。そして夢は、潰える【FPが解説】

「とうとう俺にも届いたか…」選ばれし者に送られる〈漆黒の招待状〉に喜びを噛みしめたタワマン在住・39歳夫だが…年収1,500万円なのに、“残高48万円”の謎。そして夢は、潰える【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

ステータスカードに煌びやかな住まい……。理想の未来を求めるあまり、収入の増加に合わせて生活の基準を上げ続け、「成功者の見た目」を先に取り繕ってしまう人は少なくありません。しかし、形ばかりのステータスを追うあまり、目の前の家計が崩れてしまっては本末転倒です。本記事では、佐藤健一さん(仮名)の事例とともに、高所得者が陥る家計の落とし穴について、波多FP事務所の波多勇気氏が解説します。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

憧れていた「漆黒の招待状」

「とうとう俺にも届いたか……」

 

湾岸エリアのタワーマンションで暮らす39歳の佐藤健一さんが手にしていたのは、招待制のステータスカードへの案内でした。

 

健一さんは、決して「いまさえ楽しければいい」と考えるタイプではありません。むしろ本人は、自分のことを“将来を真面目に考えるタイプ”だと思っていました。

 

「老後は、お金の心配をせずに暮らしたいんです。いい家に住んで、気の合う仲間と食事をして。妻にも『ここまで頑張ってきてよかったね』っていってもらえるような生活がしたくて」

 

健一さんが思い描いていたのは、経済的に成功した仲間たちと、豊かな余生を過ごす未来。そして、その姿を妻の佐藤美咲さん(仮名)に見せることも、健一さんにとっては夢の一部でした。

 

「妻には苦労させたくないですし、正直、ちょっと自慢したい気持ちもあります。『俺と結婚してよかっただろ』って」

 

そのためにはまず、いまいる仲間たちに遅れを取ってはいけない――。いつしか健一さんは、そう考えるように。周囲が高級店で食事をすれば自分も参加し、旅行のグレードが上がれば合わせる。カードの利用額も増えていきました。

 

なかでも、健一さんが密かに狙っていたのが、招待制のステータスカード。仲間内にはすでにそのカードを持っている人もいました。

 

「別にカード自体が欲しいわけじゃないんですよ。でも、やっぱり持っている人を見ると、『そこまで来たんだな』って感じがするじゃないですか」

 

健一さんにとって、カードは単なる決済手段ではなく、自分が目指す未来へ近づいている証でもあったようです。

 

そして、ついにその日はやってきました。封書の中身を確認した健一さんは、思わず笑みがこぼれます。努力が認められたような気がしたそうです。

 

ところが、その喜びは長く続きませんでした。

次ページ妻から告げられた予想外の一言

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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