銀行は中小企業から「選ばれる」時代に
中小企業は、長きにわたり、
いかにして銀行から融資先として選ばれるか、
を気にかけてきました。
特に、
その傾向が強かったバブル以前の時代を経験した経営者には、
今もその当時の意識から解放されていない方が多くおられます。
しかし今や、
銀行は融資先を「選ぶ」時代ではなく、
顧客である中小企業から「選ばれる」時代なのです。
昨年、金融庁の長官が変わり、
新たな「金融行政方針」が打ち出されました。
それ以降、「選ばれる」立場としての銀行サービスに、
大きな動きがみられるようになりました。
・土日でも振込が即日可能になる
・営業時間を見直す
・生命保険などの取扱手数料を開示する
・海外送金のスピードや料金を見直す
などなど、新聞を見ていても目に付く機会が増えてきました。
他行とのサービスの差別化を、競うように動き始めました。
で、この急激な変化をどう見るか、です。
おそらく、
銀行の金融庁サマサマ病に、拍車がかかっている、
新たな局長の方針と実行力を、かなり恐れている、
と感じずにはいられないのです。
以前より有利に進められる銀行との各種交渉
というのはこれまでも、
金融庁からは、このような変革を求められていたのです。
そうでありながら、なかなか進まなかったのです。
それが、一気に動き始めたのです。
「選ばれる」銀行であれば、金融庁からのおとがめはありません。
そうなれば、過剰と言われる地方銀行も、生き残れます。
結局、どの銀行も、名前が変わらずに生き残りたいのです。
銀行を「選ぶ」側の中小企業経営者は、
その変化を知り、自社の交渉を有利にすべく、
この状況をどんどん活用すればよいのです。
新たな「金融行政方針」以降、具体的に何が変わってきたのか、
追っていきたいと思います。