生き別れの父親の「突然の死の知らせ」に動揺
幼い頃に両親が離婚し、父親とは音信不通。そのような方のもとに、突然、弁護士から「お父様が亡くなりました」という通知が届く…。こうしたケースは珍しくありません。
長年関わりのなかった父親の死亡を知らされても「何年も会っていないのに、関わりたくない」「他人同然の人の相続なんて、放棄したい」と考える方もいるでしょう。
しかし、感情に任せた行動をすることで、かえって相続放棄が難しくなったり、ほかの親族とのトラブルに発展したりすることがあります。そのため、慎重な行動をとることが大切です。
生き別れの親の相続放棄を行う際には、注意すべき4つのポイントがあります。
注意点1:相続放棄の期限は「自分が知った日」から3カ月以内
相続放棄を考える場合、まず確認しなければならないのが「期限」です。
相続放棄は原則として、自分のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
ここでよくあるのが、「父親が亡くなった日から3カ月以内」だと思ってしまう勘違いです。基準となるのは、原則として「自分が相続の開始を知ったとき」です。
例えば、父親が半年前に亡くなっていたとしても、最近になって弁護士からの通知等で初めて死亡の事実を知ったのであれば、その時点から3カ月の期間が始まることになります。
まずは慌てずに、いつ通知を受け取ったのかを確認しましょう。消印のある封筒や受領日が分かるメールなどを保管しておくことも重要です。
注意点2:遺品には勝手に手をつけない
父親の遺品や財産を勝手に処分しないように注意してください。
相続財産を処分するなどの一定の行為をすると、法律上、相続を「単純承認」したとみなされる可能性があります。
具体的には「部屋にあった現金を持ち帰る」「形見として腕時計や貴金属を持ち帰る」「預金を引き出す」「車を売却する」といった行為には注意が必要です。
単純承認したとみなされると、後から「借金のほうが多いから、相続放棄したい」と考えても、原則として相続放棄が認められなくなる恐れがあります。
なかには心情的に「せめて写真だけでも持ち帰りたい」と思う人もいるかもしれません。しかし、遺品や財産に触れる前に、まずは専門家に相談することをお勧めします。
