そのお金、本当にお母さんのために使ったの? 離れて暮らすきょうだいから「使い込み」を疑われ…ひとり介護に奮闘する子が自分を守る防衛策、3つ【司法書士が解説】

そのお金、本当にお母さんのために使ったの? 離れて暮らすきょうだいから「使い込み」を疑われ…ひとり介護に奮闘する子が自分を守る防衛策、3つ【司法書士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

相続トラブルとしてよくあるのが、近居の子どもによる「高齢の親のお金の使い込み」の疑いです。しかし、親の近くでひとり介護を担ってきた子どもが、介護にほとんど手出ししてこなかったきょうだいからそのような疑いをかけられるのは、とてもつらく、悔しいことです。ここでは、介護を担う子どもがこのようなトラブルから身を守るための対策を見ていきましょう。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が解説します。

「お金、使い込んでない?」遠方に暮らすきょうだいの疑念

高齢の親の介護にひとり奮闘してきたのに、介護に関わっていないきょうだいから「親のお金を使い込んだのではないか」と疑われてしまう…。これは、相続トラブルのなかでも非常に多いケースです。

 

特に、実家の近くに住んでいる子どもが介護を担当し、遠方に住むきょうだいはたまにしか顔を出さないというケースでは、こうした問題が起こりやすくなります。

 

介護をしている側からすれば、自分の時間もお金も使って親を支えているのに、疑われること自体が心外でしょう。一方、介護にあまり関わっていない側から見ると「親の通帳を管理している」「ATMで現金を引き出している」「親のカードを使っている」といった行為に不信感を募らせることになりやすいのです。

 

さらに厄介なのは、疑われた側が感情的に反応すると、かえって疑念を深めてしまうという点です。

 

では、これらの問題を防ぐにはどんな対策が有効なのでしょうか?

対策1:介護専用の口座を作り、親と自分のお金を完全に分ける

使い込みがないことを証明するには、親のお金と自分のお金を完全に切り分け「混ぜない」ようにすることが重要です。そのためにもまずお勧めしたいのは、介護専用の口座を作ることです。

 

介護をしていると「とりあえず立て替えておこう」という状況になることが少なくありません。例えば、病院代やタクシー代、介護用品代などを自分のカードで支払い、後から親の口座から精算する、というようなケースです。

 

このようなことを繰り返していると、あとから通帳だけ見た第三者には、何のためのお金なのか判断できません。また、介護していた本人も忘れてしまい、明確な説明ができなかったりします。その結果「本当に親のために使ったお金なのか?」と疑われ、トラブルに発展するリスクがあるのです。

 

それを防ぐためにも、親本人の意思に基づき、親名義の口座をひとつ、生活費や介護費、医療費などの支払い用として決めておくとよいでしょう。子が口座の管理や払戻しを行う場合には、金融機関に相談し、代理人の届出など必要な手続きを確認しておくことが大切です。

 

これだけでも、後からお金の使い道を説明する際にわかりやすくなります。

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