「明日からよろしくお願いします!」年収400万円の43歳店長、年収1,200万円だった60歳元大手部長がバイトの面接に来て仰天、即採用も…「5ヵ月でクビ」の驚きの理由

「明日からよろしくお願いします!」年収400万円の43歳店長、年収1,200万円だった60歳元大手部長がバイトの面接に来て仰天、即採用も…「5ヵ月でクビ」の驚きの理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

定年退職後もこれまでの知見や体力を活かし、新たな職場で働き続けるシニア世代が増えています。しかし、現役時代に管理職や専門職として高い実績を上げてきた人が再就職先でトラブルとなるケースも。本記事ではFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、佐藤正弘さん(仮名)の事例とともに、定年後の再就職の実態に迫ります。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。

「仕事ができる人」が定年退職後、再就職難に?

近年、定年退職後も働き続ける高齢者は増え、総務省統計局が2026年9月に公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、2025年の65歳以上の就業者数は943万人と、過去最多を更新しました。

 

今回の正弘さんのように、経済的な余裕がありながら、自分の経験を活かしたいと考える人も多いでしょう。

 

正弘さんは大企業の経理部長として豊富な経験を持っていました。業務改善の着眼点自体は間違っていなかったのかもしれません。

 

しかし、現場の店長には店長の仕事があり、会社全体のルールや本部との関係、従業員の事情などさまざまな制約があり、大企業で経理部長を務めていた正弘さんならそうした組織の事情も理解できたのではないでしょうか。それにもかかわらず、自分の提案が採用されないことを理由に、相手を見下すような態度を取ってしまいました。

 

近年、部下や年下の同僚から上司に対して行われるこうした嫌がらせは「逆パワハラ」として社会問題化しています。一般にパワハラというと、上司が部下に対して暴言を吐いたり、無理な仕事を押しつけたりすることをイメージされますが、パワハラは上司から部下への行為に限定されるものではありません。

 

こうした言動によって相手に精神的な損害を与えた場合には、民事上の損害賠償責任を問われる可能性もあります。

 

もし職場の方針にどうしても納得できないのであれば、改善提案を行うだけでなく、自分に合った別の職場を探すことも選択肢の一つです。相手を無理に変えようとして傷つける必要はないでしょう。

 

また、正弘さんが立ち上げた財務コンサルティング事業が行き詰まった原因も、ホームセンターで起きた問題と根底で通じています。

 

ビジネスにおいて必要とされるのは、「自分がなにをできるか」の誇示ではなく、「相手がいまどんな課題を抱え、なにを求めているか」に寄り添う姿勢です。相手の事情を汲み取らず、一方的に正論を押し付ける姿勢のままでは、どれほど立派な肩書や資格があっても顧客の信頼を得ることはできません。

 

定年退職は、長年勤めた会社での役割を終える一方で、新しい人生を始める機会でもあります。現役時代に培った知識や経験は大きな財産です。しかし、それがそのまま新しい環境で求められるとは限りません。正弘さんのように、仕事への熱意や豊富な知識を持ちながら、周囲との人間関係を壊してしまえば、自信を失い、その後の就労へのメンタルブロックにも繋がり、余裕があると思われた老後の生活そのものを不安に染め上げてしまいかねません。

 

老後の生活設計において大切なのは、手元にいくらの資産があるかという数字の多寡だけではありません。「周囲に敬意を払い、どのような人間関係を築きながら社会と心地よく繋がっていくか」という視点を持つことこそが、真に安心できるセカンドライフを支える土台となるのです。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

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