金融庁は銀行に「個人保証を取るな」と伝えている!?
中小企業の経営者とお話ししていると、
“それは今どき、死語でしょう!”
と、言いたくなることがあります。
いまだに、銀行借入の際、
担保と個人保証は絶対に必要なもの
と思っていらっしゃる経営者がおられます。
“ウチに来る銀行員は、いつも要求してきますよ。”
と、おっしゃります。
当たり前です。銀行員の立場であれば、
そう言って、“わかりました。”と言ってくれれば、
ラッキーなのですから。
当然必要だから言っているのではなく、
駆け引きとして、銀行員は死語を使っているのです。
その死語に乗せられている方が、いまだにおられるのです。
担保や個人保証が当たり前だったのは、
銀行が強かった時代の話しです。
しかし今や、銀行を取り巻く環境は変わっているのです。
融資先がなく、預金は銀行にだぶついています。
そこへさらに、日銀が各銀行の国債を買い上げて、
銀行に現金を押し込んでいるのです。
銀行は、借りてほしくてしかたがないのです。
借りるほうが、強い時代なのです。
特に、個人保証は、金融庁から銀行に、
「経営者保証に関するガイドライン」
を運用するよう、言い渡されています。
“個人保証を取るな!”
“経営者個人に多額の負債を負わせるな!”
“経営者の家族を路頭に迷わせるな!”
“個人保証に依存せず、事業性を評価せよ!”
と、指導しているのです。
新たな借入れだけでなく、過去に契約した借入金も、
個人保証を外す対象になっています。
「このことを、金融庁に連絡してみます」
政府系銀行が公表している、
個人保証を外せないケースは、次の2つの場合です。
①債務超過である。
②2年連続、減価償却前の経常利益が赤字である。
民間銀行は公表していませんが、政府系に準じます。
上の2つに該当することは、ほとんどないはずです。
ということは、個人保証は外せるのです。
ただ、銀行も素直には外しません。
“検討します。”で、そのままになっている。
というケースが多いのです。
だから、粘り強く繰り返し、問い詰めてゆくのです。
“個人保証の件、どうなってますか?”
“なぜ外せないんですか?”
“じゃあ、どうなれば外せるんですか?”
“それが、○○銀行のルールなんですか?”
“このことを、金融庁に連絡してみます。”
とまで、追い詰めてゆかないと、簡単には外しません。
死語の世界に振り回されることなく、
銀行交渉を進めてほしいのです。