今回は、銀行からの借入金利は「TIBOR+スプレッド」を基準にすべき理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行が勝手に決める「最優遇金利」

中小企業の経営者とお話ししていると、
“それは今どき、死語でしょう!”
と、言いたくなることがあります。

 

銀行借入の金利は、
TIBOR(タイボ:東京銀行間取引金利)+スプレッド(上乗せ)
にしなさい、と言い続けています。

 

で、経営者が交渉し、
“タイボの扱いはしていない、と言われました。”
“じゃあ、どうするって言うんですか?”
“私どもは長プラで対応しています、って言われました。”
“えっ!長プラ!それはもう、死語ですよ!”
ということが、いまだにあります。

 

その場合、ほぼ間違いなく、
その銀行員が、TIBOR+スプレッドでの、
金利対応を知らないし、やったことがないのです。

 

長期プライムレイトは、銀行が自主的に決める、
長期の貸し出し金利です。
プライムレイトとは、最優遇金利です。
金融機関が自ら最優遇とかプライムと名付けるものほど、
こわいものはありません。

長期プライムレイト対応など、もはや過去のこと!?

“長プラは、最優遇金利で、
どこにでも出せるものではありませんよ。”
などと銀行員から言われると、
“なるほど、わが社もたいしたものだな。”
などと感慨にふけり、提案を受け入れてしまうのです。

 

経営者が、調達のトレンドを知らないことは、
大いなるキャッシュ流出に、気づいていないのと同じです。
おそろしいです。

 

この長期プライムレイト、各銀行が今も発表していいます。
みずほや三菱など、メガバンクは0.95%、
地銀は1.00%、というのが多いです。
しかも、マイナス金利導入後、3月に下がってこの金利です。
いかがでしょうか?
最優遇と思えますか?
銀行にとっての最優遇、としか思えないです。

 

いまや、TIBOR+スプレッドで、
0.2%を下回る金利がある時代です。
0.5%以下は、ざらにあります。
つまり、長プラ対応など、もはや過去のことなのです。
そんななか、0.95%で借りてくれるなら、
銀行にとって、かなりおいしいお客様です。

 

銀行員が長プラとか短プラなどと言い出せば、
“あなたは死語の世界から来ましたね!”
とでも、言ってほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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