後から気づく「各種手数料」の膨大さ
ある経営者が、こう言いました。
“銀行から、私募債を発行しませんか?
と、言ってきました!”
なので、次のように返しました。
“銀行から、こんなこと、言われませんでした?”
「銀行での私募債引受けは、できる会社が限られていまして…。
どの会社様でもできる、というものではないんです。
御社は、その一定の審査を合格しております。
毎月の返済はないですし、金利も低くなりますから、
お役に立つと思いますよ…。」
と、銀行員の体で言うと、その経営者は、
“ほんとにそのとおりなんですけど、なんでわかるんですか?”
と驚いていたのです。
それは、
“銀行からそう言われて誘いにのったけど、失敗でした!”
という声を、さんざん聞いてきたからです。
できる会社は限られている、などと言われると、
ついうれしくなって、お願いしてしまった、
と言う声を、何度も聞いてきたのです。
で、それらの経営者がなぜ失敗だと思ったのかと言うと、
各種手数料の膨大さ、なのです。
改めて、こちらとこちらの記事を参照ください。
あくまでも自分優先、銀行優先の銀行員
銀行は、手数料産業です。
財務代理人手数料、登録手数料、引受手数料、などなど、
ちょっとしたパソコン操作や文書作成で、
数百万円単位の手数料をとるのです。
当たり前ですが、誘ってくるときは、
そんなことは、はっきりと言いません。
おいしい話しをしたあとに、
“お引き受けに際して、手数料が若干かかります。”
などと、さらっと言うわけです。
そのとき、経営者の頭の中には、
おいしい思いだけが、ぐるぐる回っています。
で、銀行の申し出に、応じてしまうのです。
冒頭の会社では結局、
“今は資金需要がないから、私募債発行はしません。”
と、返答したそうです。
それでよいのです。
銀行員は、自分たちの商売や成績にメリットがあるから、
誘いの声をかけてくるのです。
あくまでも、自分優先、銀行優先、なのです。
何事も、耳障りのいい言葉だけを受け入れ、誘いに乗ると、
あとで後悔することに、なるのです。