今回は、銀行が企業の返済能力を計るための代表的な「経営指標」について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

支払利息に対して、どれだけの営業利益があるのか?

銀行は、経常利益よりも、営業利益を重視します。
その答えは、銀行融資の格付け「スコアリング」にある、と、前回申しあげました。
(前回の記事はこちらから)

 

その格付け評価のなかで、営業利益が関わる経営指標は、3つあります。
そのうちのひとつに、

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ、

 

という指標があります。文字を読んだだけでは、意味がさっぱりわかりません。

 

計算式は、こうです。

(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息・割引料

もっとシンプルに考えれば、こうなります。

営業利益÷支払利息

 

つまり、支払利息に対して、どれだけの営業利益がありますか?
ということですね。数値が大きいほど良い、というわけです。

 

図で考えると、こんな感じです。

 

[図表]
Intarest

「問題あり」と判断される100%未満のケース

図にある、営業利益と支払利息を比較するわけです。この指標が良くなるには、

 

1.営業利益を大きくする

2.支払利息を小さくする

 

の、いずれかです。

 

さらに、この指標の配点は15点です。とはいえ、15点をもらえるのは、

インタレスト・カバレッジ・レシオ500%超です。営業利益が支払利息の5倍超なら15点、ということです。
400%で10点、300%で8点、200%で6点、などと分かれています。
100%未満だと、0点です。

 

この指標が100%未満になる、ということは、営業利益よりも支払利息のほうが大きい、という状況です。営業利益はプラスだけれど、経常利益はマイナス、というパターンです。

 

そのような企業は、返済能力を計る経営指標のひとつに、大きく問題がある、
と、銀行格付けでは判断される、ということです。
インタレスト・カバレッジ・レシオには、
そのような意味があることを、知っておいてほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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