今回は、銀行の「振込み手数料」の引き下げに成功した経営者の事例を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行の振込み手数料が下がった実例とは?

ある経営者より、
“交渉の結果、振込み手数料が下がりました!”と、嬉しい報告がありました。

 

次のように、なったのです。

 

[図表]
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いかがでしょうか?
自社の振込み手数料と比較してみてください。

 

ここへ到達するにも、交渉の紆余曲折がありました。
注目は、メガ銀行の他支店80円です。

 

“地銀は無料なんだから、せめて100円以下にしてよ!”という要望を、経営者はだしたのです。

 

それに対して、メガ銀行の担当者は、当初、
“うちでは100円以下の手数料なんて、どこの支店でもないですよ!”
と、言ってきたそうです。で、その経営者から連絡が入りました。
“こんなこと言ってるんですが、そうなんでしょうか!?”

 

しかし私は、その支店で、80円の事例を知っていたのです。
そのことを伝えると、また、その経営者は交渉をしかけました。
“○○支店で80円の会社があるそうじゃないですか!ほんとに全部知ってて100円以下はないって、言ってたの?ひょっとして、適当にいってたの?ウソと思うなら、○○支店に確認してよ! ”

 

その結果が、上の表です。
そもそも、銀行の担当者が、全支店の振込み手数料など、把握しているはずがない、ということです。だから、どこの支店にもない!という言い方をするなら、それは、ウソなのです。

「やればできる」という手本を見せた経営者の意地

銀行員のはったりに、負けじと切り返し、たたみかけたこの経営者は、立派です。しかも、この経営者は、製造現場の職人を経て、今の地位に就いた方です。決して、交渉事が、得意だったわけでもありません。銀行取引に、詳しかったわけでもありません。
銀行交渉を、過去にしてきたわけでもありません。

 

この数年、猛勉強し、会社の生き残りをかけて、実践によるコストダウンを、地道に積み重ねてきたのです。やればできる、という手本を見せていただけたのです。

 

上の手数料を見て驚いている方は、まだまだ努力の余地がある、ということなのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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