今回は、「銀行による顧客の印鑑等の預かり」について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行に預けていた「定期預金の通帳」

金融庁による、銀行監督指針における、不適切な取引の発生の防止には、いくつかの項目が挙げられています。

 

そのなかのひとつに、「顧客の印鑑等の預かり」というものがあります。

 

“ええ?まさか?印鑑なんて預けますか?”
という方もおられるでしょう。
私も、「印鑑を預けていた」、という事実は聞いたことがありません。

 

しかし、“通帳を銀行に預けていることがわかりました!”ということは、実際にあったのです。通帳はまさしく、「印鑑等」に該当しますね。

 

それも、定期預金の通帳だったのです。かなり以前に、定期預金をさせられた際に、“手前どもで通帳も預からせていただきます”となり、安易に承諾していたのです。

銀行員の態度がガラリと変わったひと言

時代は移り変わり、定期を解約して返済に充てようとしたら、通帳がないわけです。
で、銀行に言うと、“お預かりしています”と、発覚したわけです。

 

しかも、通帳の返還を要求すると、“お預かりする約束になっているので、返せません”
と、言うのです。

 

で、交渉の場にいた役員も疑問を感じ、“通帳を預かることは普通にあることなのか、指導いただいているコンサルタントの先生に聞いてみます”

 

と言うと、銀行員の態度がガラリと変わり、
“いやいや、それは、その、私も、上の者からそう言われておるだけですので、一度持ち帰って、返答させていただきます。”となりました。

 

きっちりと言い返した役員は、立派です。ずっと凍結している定期預金がある場合、
通帳を預けている、ということが、あるかもしれないのです。

 

満期をすぎた、古い定期預金が残っている、という方は、一度、チェックしてみてください。

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    本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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