今回は、金融庁の監督指針を「銀行との交渉」に活用する方法について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

金融庁の厳しい監督下にある銀行

かつて、反社会的組織への融資が問題となり、M銀行では、30人もの役員が処分されました。(役員はいったい何人いるんでしょうか?)

 

これは、金融庁が定める、金融機関の監督指針にある、評価項目に基づくものです。つまり、銀行が中小企業を評価するのと同じように、銀行も、評価項目をもとに、チェックされるわけです。

 

「銀行監督上の評価項目」として公開されています。こちらです。

 

「業務の適切性」として、ズラズラと列記されています。

 

その中のひとつに、「反社会的勢力による被害の防止」という項目があります。

 

M銀行の一件では、ここに触れたわけですね。

 

しかし、評価項目は、それだけではありません。
しかも、「業務の適切性」の冒頭には、“遵守すべき法令等は多岐に渡り、いずれも重要性に差はないが、・・・”と、されています。

 

そうです。この評価項目に記載されていることは、全て、同じレベルで重要な項目なのです。

銀行は「金融庁サマサマ病」!?

反社会的組織に対する融資と同じレベルで、してはいけないこと、なのです。

 

ところが、その項目の中には、中小企業が普段、当然のように受入れている項目もあるのです。

 

知っていれば、その部分を突くことができます。
しかし、中小企業の多くの経営者は、このようなことを知りません。


銀行の言うがまま、条件を受入れ、契約してしまうのです。

 

当然ながら、この評価項目に書かれていることを、金融庁から指摘されることが、銀行にとっての、最大の恐怖なのです。銀行の弱みなのです。ここに、交渉の武器があるのです。

 

中小企業の“銀行サマサマ病”を、銀行が武器にして強気に出てくるのと同じです。われわれ中小企業も、相手の弱みを知ることなのです。銀行は、“金融庁サマサマ病”なのです。

 

いったいどのような項目があるのか、見ていきたいと思います。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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