今回は、貸付金利の相場を把握して、有利に銀行交渉を進める方法について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

他社を引き合いに出し、自社の金利の低減に成功

世間は狭いものです。私の知っている企業に融資をしている銀行の支店が、その近隣の、既知の他企業にも融資をしていた、ということが、まれにあります。

 

「おたくの近くで〇〇業をされている会社が、A銀行の××支店から、0.5%で借りたらしいよ!」

「えっ、本当ですか!ウチもそこから借りてますよ!」

「え~!そうなの!で、金利いくらなの?」

「いやぁ~、軽く1%を超えてますよ!」

 

と、いうことがありました。

 

そこで、金利が高かった企業の財務担当者は、A銀行××支店の担当者を呼びました。

 

「ちょっと聞いたんですけれど、0.5%で貸している先があるらしいですねぇ」

「えっ!!!!」

「ウチは優遇金利です、って言ってたけど、実はぜんぜん違うんじゃないの????」

「いや・・・、それは・・・、財務内容など、いろいろありまして・・・」

「それは違うと思うけど、ちょっと差がありすぎるでしょう」

「決して、そんなことは・・・」

「なのでねぇ・・・、次は一度、今営業に来ている、〇〇銀行にも提案を出してもらおうと思ってます」

「えっ、そうなんですか!! ウチももう一度、頑張らさせてもらいます!」

 

という交渉の結果、0.5%までは下がらなかったものの、近いところまで下がったのでした。

銀行の言うことを鵜呑みにせず「情報」をつかむ

つまり、その支店が、近隣他社にどれくらいの金利で貸しているのか、という情報をつかむことが、大きな武器になる、ということですね。

 

銀行はやはり、自分達の有利なように、交渉を進めます。

 

「いつも良い金利で協力させてもらってます」

 

という言葉を、鵜呑みにしていてはいけないのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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