地域通貨の価値の乱高下を防止することが可能に
地域通貨が法定通貨により担保されていることは、別の視点から見てもメリットがあります。
法定通貨と交換でき、交換レートを設定していれば、それが担保の根拠となりますので乱発できなくなります。地域通貨の価値が上下して混乱するといった事態を防ぐことができるわけです。
また、前述の通り、地域経済の自立的活性化には通貨の三つの機能を限定することが大切です(地域・期間・目的)。
しかし、円は圧倒的に汎用性と利便性が優れているため、機能を限定することができません。地域内で循環させるという目的を達成する上で円は「便利すぎる」のです。
しかし、地域通貨なら限定可能です。あえて汎用性・利便性を抑えた地域通貨を活用することで、円によって価値が裏付けられているという信用を踏まえながら、地域経済の活性化を実現することができるのです。
円によって価値が支えられる「旅行券」「地域商品券」
身近な例がプレミアム地域商品券や旅行券です。これらは円で買うことができ、円に換えることはできないという特性があります。つまり、条件つきではありますが、円によって価値が支えられています。
また、地域住民が対象のプレミアム商品券には20~30%、地域外の観光客を主な対象としたプレミアム旅行券や宿泊券には40~50%というプレミアムがあり、その分は政府や経済産業省、自治体など行政が一定の予算金額の範囲内で負担していますので乱発はできません。
この二つの点を満たしているからこそ、一定の消費喚起効果や地域経済の活性化につながっているわけです。