地域通貨の効果を最大化する「横軸の通った煙突モデル」

前回は、あらゆる企業・団体が発行できる「地域通貨」のメリットを説明しました。今回は、地域通貨の効果を最大化する「横軸の通った煙突モデル」とは何かを見ていきます。

せっかくの取り組みも単独では効果が限定的に

これまでの連載で述べてきた内容を1枚の図にまとめると、以下の図表のようになります。この図を私は「煙突モデル」と呼んでいます。

 

[図表]地域の「煙突モデル」

地域の「煙突モデル」

 

各々の煙突は地域内の活動を示し、その一本一本の煙突が地域通貨の発行者を表します。また、その煙突は地域の活動がタテ割りになっていることを表しています。

 

一所懸命に活動しても各々の活動がつながらず、連携していなければ、相乗効果(シナジー)は生まれません。現状の各々の活動(煙突)として、例えば独自のポイントや商品券などを発行するといった取り組みはありますが、単独で行っているため、効果も限定的になっているのです。

目指すのは「地域経済」「コミュニティ」の活性化

そこで重要なのが、煙突に横軸を通すことです。上の図は、地域通貨という横軸がその役割を果たすことを示しています。地域通貨は、あらゆる「いいこと」で貯まりますので、すべての分野に共通して貯めることができ、使うことができます。決して簡単な道のりではありませんが、最終的にはすべての煙突に横軸を通すことが地域通貨の理想形だと私は考えています。

 

図の下部の太い煙突は地域通貨の使い方を示しています。この図では、地元店舗で利用したり、行政施設で利用できたり、寄付できたりすることができることを表現しています。

 

この上下の活動(煙突)が、地域通貨の代表的参加者です。地域通貨は、その名の通り「通貨」ですので、その発行量・流通量が重要な指標になります。流通量が少なければ、不活発な状態を示すことになります。流通量を増やすには、多様な参加者がいて、多様な貯め方、多様な使い道があることが重要です。簡単にいえば、「どこでも貯められて、どこでも使える」ということです。

 

この「煙突モデル」図は、地域通貨の理解のために非常に重要なものです。導入・活用を考えるときの概念として、この図を念頭に置いていただけるとよいかと思います。

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

連載地域通貨で実現する「地方創生」

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の…

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