子会社を持つ企業にも影響か
もう一つの重要な論点が、子会社株式の扱いである。第6回会議では、評価会社が保有する子会社株式について、どこまで修正して評価するのかも検討事項として挙げられている。
中堅・中小企業でも、事業の多角化やM&Aなどによって複数の子会社を抱える企業は少なくない。
中小企業庁は今回の意見書で、国内外に子会社を持つ企業や、地域の技術承継などを目的としてM&Aで会社を承継したケースなどを念頭に、子会社株式の評価方法によっては評価額が現行より著しく増大する懸念があると指摘している。単独の会社だけを経営する企業に限らず、グループ経営を行う中堅・中小企業にも関係する論点となる。
中小企業庁「まずは影響を具体的に検証すべき」
では、中小企業庁は具体的に何を求めているのだろうか。
中小企業庁は今回の意見書で、会計検査院の指摘について「異なる規模区分間の公平性に関する課題を指摘したものであり、規模区分に応じて評価方式を分けること自体や、類似業種比準方式そのものが不適切だとまでは指摘していない」と整理している。
また、国税庁が問題視する「恣意的な会社規模の変更による評価額圧縮」などの租税回避スキームについても、過去10年間で確認された件数は14件にとどまるとしている。
こうした点を踏まえ、中小企業庁は、抜本的な評価体系の見直しに先立って「まずは現行の評価方式の枠内で取り得る対応策から検討する余地がある」と主張している。
そのうえで求めているのが、評価額が変動した場合に事業承継へどのような影響が出るのかを具体的に検証することである。
意見書では、全国に中堅・中小企業が約175万社(法人数)存在するとしたうえで、業種や経営状況などに応じた「個別具体的なケース別、類型別及びマクロでの分析・試算」を行い、どのような事業者にどの程度の負担増となるのかを把握できるようにすべきだとしている。
さらに、事業承継税制についても、中堅企業は対象外であり、中小企業についても長期にわたる管理コストなどから利用できる企業が限られている実態を踏まえる必要があるとしている。
